きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

白熱!凱旋門賞戦線

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クライマックスを迎えたイギリス・ヨーク開催は昨夜、フェスティバルのメインを飾るG1インターナショナルSが行われました。マイル路線から中距離路線へと距離を延ばしてきたバーニーロイやチャーチル、英ダービー2着のクリフスオブモハーなどの3歳勢に対して、大器晩成と言われ続け4歳になった今季に本格化を遂げた気配のあるユリシーズの戦いぶりが見ものでした。レースは先行する若駒3頭の直後の4番手を追走したユリシーズがラスト1ハロンでまとめて面倒を見る貫禄の抜け出しで、先行争いを競り勝ったチャーチルに2馬身差をつける快勝でした。これでG1レースはバーニーロイを負かしたエクリプスSに続いて2勝目です。すっかりトップホースとして定着してきました。これを受けて凱旋門賞オッズは9倍の2番人気に跳ね上がっています。

日本での馬券発売決定が発表された凱旋門賞ですが、昨夜のヨークではもう一つ動きがありました。インターナショナルSの前に行われたG2グレートヴォルティジュールSです。セントレジャーの前哨戦として有名な12ハロン戦ですが、三冠最終戦のセントレジャーではなく凱旋門賞に照準を置くクラックスマンが登場しました。英ダービー3着、愛ダービー2着と惜敗を繰り返しているフランケル産駒ですが、この日は馬が変わったようなパフォーマンスで2着馬に6馬身、3着馬にはさらに6馬身差の大圧勝でした。ゴールでは感嘆の拍手が沸き起こったと伝えられます。凱旋門賞オッズも急騰して21倍から11倍へ。日本のサトノダイヤモンドや3歳女王ウィンターと並ぶ3番人気タイです。

ところがこの馬、今のところ大本命に推されているエネイブルと同じジョン・ゴスデン厩舎で、鞍上も同じフランキー・デットーリ騎手が主戦を勤めています。馬主さんが違いますから何とも言えませんが、シャンティイの桧舞台で見たいと思わされるこの日のパフォーマンスでした。エネイブルは今夜のG1ヨークシャーオークスで本番前の試走に挑みます。英愛に続く3大オークス制覇なるかというより、英オークス5馬身、愛オークス5馬身半、そして前走のキングジョージで前出ユリシーズに4馬身半と圧勝続きで、ここはどんな勝ち方をするかだけが話題の中心でしょう。まだサトノダイヤモンドが出走予定のフォア賞を筆頭に3歳馬のニエル賞、牝馬のヴェルメイユ賞、存在感を増している愛チャンピオンSなど主要前哨戦を残していますから、凱旋門賞戦線がますます白熱していきます。

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