きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

日本馬が勝利する日

9月28日は、松田 国英 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

ご承知のように、これまでエルコンドルパサー、ナカヤマフェスタ、オルフェーヴルが2度で計4度も後一歩にところで凱旋門賞の栄冠を逃してきた日本調教馬ですが、この厳しい現実を海外のホースマンたちはどう見ているのでしょうか?アガ・カーン殿下の専属調教師として、9戦8勝の名馬ダラカニ、7戦7勝の天才的名牝ザルカヴァで凱旋門賞を制しているアラン・ド・ロワイエ=デュプレ師は今回はザルカヴァの息子ザラクで3度目の戴冠に挑みますが、この当代きっての名伯楽の見立てはかなり厳しいものがあります。

「日本馬が凱旋門賞に勝つのは、私がジャパンCに勝つのと同じくらい難しいと思うよ」と彼は語ります。競馬というものはそれが大レースになればなるほど、馬も走れば人も走る総力戦の様相を帯びてきます。昨年のシャンティイで鮮やかな1-2-3フィニッシュを決めたチーム・オブライエンの見事な連携プレーを振り返るまでもなく、単に馬が強いとか速いとかの次元を超えたところで、それは戦われます。あらゆる戦いは武力衝突だけで終わらず、経済とか社会構造とかを含めた文化の戦いがそこに横たわっている、とデュプレ師は言外に述べているのでしょう。

カリド・アブデゥーラ殿下のレーシングマネジャーとしてダンシングブレーヴやフランケル、現役のアロゲートといった名馬群を監督してきたテディ・グリムソープ卿は、今回は大本命馬エネイブルとともにシャンティイに姿を現します。彼女はデビュー以来7戦を経験していますが、すべて異なる競馬場で走り6勝してその内G1を4連勝してきました。見た目のキャリアだけで即断できない中身の濃さがあります。シャンティイは初馬場ですが、卿はエネイブルの傑出した才能に自信を隠しません。サトノダイヤモンドについてもトリッキーな展開だったファア賞は度外視できると考えており脅威に感じているようです。「いずれ凱旋門賞で日本馬が優勝することは疑う余地がないと思っている。現在、日本で生産されている馬の資質と能力は素晴らしい。フランケルに初めてG1の勲章をもたらしクラシック馬の父としたのはソウルスターリングですからね」“いずれ”が今年なのか?来年なのか?もっと先の話なのか?決戦の時が近づいてきました。

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