きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

新潟初のGI開催

9月29日は、笹田 和秀 調教師、野中 賢二 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

9日に始まった4回中山開催も、今週末で終わり。その掉尾を飾るのは……秋のGⅠ戦線の鐘を告げるスプリンターズステークス、“電撃の6ハロン戦”です。
3歳以上の馬が出走できる唯一のスプリント重賞として、1967年に創設されたこのレースは、グレード制の導入により、84年にGIIIに格付け。3年後の87年にはGIIに格上げされ、さらに3年後の90年にはGIに昇格。その間、開催時期は度々、変更となりましたが、春の皐月賞、暮れの有馬記念と並び、中山競馬の代名詞として、ファンのみなさんにも愛されてきました。

今年で51回目。この長い歴史と伝統の中で、他場で開催されたのは、わずか3回です。1度目は88年の第22回で、このときは東京競馬場で、距離1400mのレースとして施行されました。

そして2度目が――15年前の今日、2002年9月29日に開催された第36回です(2014音に開催された3度目も新潟でした)。この年は、東京競馬場大改修のため、レーシングスケジュールが大幅に変更となり、なんと、新潟競馬場初のGIレースと施行されたのです。
新潟をはじめとする北陸の競馬ファンの方が、どれほどこの日を待ちわびたことか。高揚。期待。熱狂。興奮……もしかしたら、小学生の遠足の前の日のように、どきどき、わくわくするあまり、なかなか寝付けなかったという人もいたかもしれません。その証左に、レース当日の新潟競馬場は、3万人をはるかに超える人の熱気で埋め尽くされていました。
新潟でGIレースが行われたのが初めてなら、優勝したビリーヴにとっても初めての戴冠。しかも大種牡馬、サンデーサイレンスの子どもでは、はじめてとなる1200mのGⅠ制覇のおまけ付きで、手綱をとった武豊騎手にとっても、前年リニュアルした新潟競馬場に初参戦という、はじめて尽くしの一日となりました。

ファンとともに育て、歴史と伝統を築き上げたGIレースが、ある日、突然、今年から他場に変更となります……という一方的な通知には哀しみを覚えますが、改修工事による地方での開催はというのも、たまに……10年に1度くらいなら、いいのかもしれません。

×