きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

昨日より今日。今日より明日――。

ようこそいらっしゃいませ。

大晦日まで、残りあと……163日。
あまりの暑さに、つい、ため息を漏らしたくなる本日、7月21日は、神前結婚記念日であり、日本三景(松島・天橋立・宮島)の日。1863年には、幕末の志士、高杉晋作が騎兵隊を結成。タバコのパッケージに、「健康のため吸い過ぎに注意しましょう」という文言が記載されることになった1972年は、この日から、伝説の刑事ドラマ『太陽にほえろ!』の放送が始まりました。
そして、もうひとつ、2007年7月21日は――。
この年の4月に史上最速・最年少(38歳1ヵ月)で、JRA通算2900勝を達成した武豊騎手が、岡部幸雄騎手が持つ最多勝利記録(2943勝)を塗り替えた日でもあります。
この日、記録まであと4勝に迫っていた武豊騎手は、小倉で騎乗。2歳新馬、3歳以上500万下で勝利を挙げ、メインレース、指宿特別をトラベルシチーで制覇。岡部騎手の記録に並ぶと、ヒシワンスモアとのコンビ臨んだ最終レース、有明特別を制し、デビューから背中を追い続けた大先輩、岡部幸雄騎手の記録を抜き去りました。

“忘れられない一日”となったこの日、武豊騎手は、「仲間に胴上げされて、なんか、引退してしまう人になったみたいで、こそばゆかった」と笑みをこぼしながら、「この記録は非常に重いものがあります」と続け、束の間、目をつむると、最後は、「20年でたどりついたこの記録をもっもっと伸ばして、少なくとも僕が生きているうちは、だれにも塗り替えることを許さないような数字にしたいです」と、その決意を語っていました。

あれから10年……。
落馬事故による骨折などの影響で、思うような成績を挙げられない日々もありましたが、その逆境を乗り越えた武豊騎手は、6月24日に行われた阪神3レースの3歳未勝利戦でメイショウヴォルガで勝ち、JRA通算3900勝を達成。さらなる高みを目指して日々、邁進しています。

昨日より今日。今日より明日……少しでもうまくなれるように。

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