きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

落ちこぼれの勲章

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本日、7月14日は、リニュアルオープンした新潟競馬場(2001年)で、日本初となる直線走路のみのレース(芝1000m)が施行された日であり、安田富男騎手が、史上初となるJRA全10場重賞制覇を成し遂げた日(1996年)です。中京競馬場が開場し、全10場になったのは1952年ですから、実に44年目の快挙でした。

生涯成績8293戦752勝の“穴男”安田富男騎手が初めて重賞勝利を挙げたのは、小倉競馬場で行われた小倉大賞典(1974年)。パートナーはノボルトウコウでした。そこから、同じノボルトウコウで新潟競馬場の関屋記念(74年)。75年には中京競馬場で行われた中日新聞杯(サンポウ)と、福島競馬場の七夕賞(ノボルトウコウ)。76年には、東京競馬場で行われた目黒記念(ハクバタロー)と京都競馬場の菊花賞(グリーングラス)。78年に、中山競馬場のクイーンカップ(キクキミコ)。84年に、阪神競馬場の4歳牝馬特別(ダイナシュガー)。87年に函館競馬場のタマツバキ記念(ロータリーザハレー)でリーチをかけ、96年、ノーブルグラスとともに挑んだ札幌競馬場の札幌スプリントステークスに勝利し、大記録を達成しました。

記録達成当時、安田富男騎手は、「夏競馬をのぞくと、トップジョッキーはみんな、中山、東京、阪神、京都で騎乗する。この記録を達成できたのは、脇役だからこそ。“落ちこぼれの勲章”ですよ」と笑みを浮かべていましたが、そんなことはありません。安田富男騎手の以降、この大記録を達成したのは、武豊騎手、藤田伸二騎手、そして横山典弘騎手の3人だけ。いかに記録達成が難しいかがわかります。

現在、あと1場まで迫っているのは、蛯名正義騎手(小倉競馬場)。岩田康誠騎手(福島競馬場)。福永祐一騎手(福島競馬場)。戸崎圭太騎手(小倉競馬場)。川田将雅騎手(函館競馬場)の5人です。今夏、5人目が誕生するのか!? 期待を抱きながら見守りたいと思います。

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