きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

女王陛下のフランケル

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フランケルが種牡馬成績を伸ばしています。本拠の英愛では、まだG1勝ちがないのですが、産駒のクラックスマンは英ダービーが0.75馬身+クビ差の3着、愛ダービーもクビ差の2着と2400m級で堅実な走りを見せて、フランケル自身は2000m級までの実績しかないのですが、距離が延びても不安のないところを証明しています。想像した以上に奥手のイメージもあって、秋に向けて急成長してくる産駒も出てきそうです。これらなら日本のソウルスターリングに続いてのG1制覇はもう時間の問題でしょうね。孝行息子クラックスマンの頑張りもあって、リーディング順位もグングン上昇、現在6位とベストテン入りを果たしています。父のガリレオにはまだ及びませんが、2世代だけでこの成績は立派です。遠からずガリレオにとって最大の強敵にのし上がって来そうです。

今季の2歳戦はまだ3頭しかデビューしていませんが、全馬が勝ち上がり100%の勝馬率はさすがです。先日のドンカスターで完勝したラーンバイハートという馬は、エリザベス女王の愛馬です。ウィリアム・ハッガス厩舎の管理馬ですが、女王陛下の主戦騎手と言っても良いライアン・ムーアに乗り替わった途端の嬉しい初勝利でした。父ガリレオの兄が2頭いますが、いずれも女王の勝負服で既に勝ち上がり、長兄レコーダーは重賞馬で兄弟揃って先行きが楽しみです。名門エイダン・オブライエン厩舎のロストロブヴィッチは因縁の血統です。半兄ゾファニーは、セントジェームズパレスSで掛かり気味に暴走したフランケルを追撃して4分の3馬身差と怪物に冷や汗をかかせています。フランケルの14戦14勝のうち、もっとも危なかった一番として語り継がれています。

日本でもウオッカとの息子さんタニノフランケルが来月にはデビューを迎える予定です。同期のフランケル仲間には、凱旋門賞馬デインドリームのソリッドドリームも同じ角居勝彦厩舎から、無敗の凱旋門賞馬ザルカヴァの娘さんは母と同じアガ・カーン殿下の勝負服でフランスがホームとなります。こうして見てくると、2世代目のフランケルは初年度産駒以上に充実していて、華やかな話題にも事欠きません。世界の競馬を盛り上げてくれるのは確実でしょうね。

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