きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

サンデーサイレンスの末裔たち

8月9日は藤田菜七子騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

日本でも2歳戦がたけなわで、ロードカナロアを筆頭にエイシンフラッシュ、ノヴァリスト、へニーヒューズ、オルフェーヴルといったフレッシュな新種牡馬の産駒たちが縦横無尽の大活躍を見せてファンを喜ばせています。ヨーロッパの新種牡馬ランキングで目を引くのは、ダビルシムの素晴らしいスタートダッシュぶりです。ダビルシムは、ご存じ日本のハットトリックの仔で、その父がサンデーサイレンスの血統です。フランスでデビューし、2歳時に5戦5勝、モルニ賞、ジャンリュックラガルデール賞と2つのG1を制し、ヨーロッパ2歳チャンピオンとフランス年度代表馬に輝いた名馬です。その後は脚部不安に悩まされ、遂に再起できないまま5歳時にドイツで種牡馬入りします。

以前に少しご紹介したように、初年度から牧場で手厚くもてなされ、最初の勝ち馬に2万ユーロ≒260万円、初重賞馬に5万ユーロ≒650万円、初G1馬には10万ユーロ≒1300万円のボーナスが支払われる異例のキャンペーン効果も手伝ってか134頭とドイツにおける史上最高頭数の牝馬を集めています。もちろんキャンペーンだけではなく、偉大なサンデーサイレンスの直系という魅力も後押ししたのは確実でしょう。最初の勝ち馬はフランスのオールディスタイムという馬で、重賞初制覇で5万ユーロのボーナスをゲットしたのもフランスから出たディファレントリーグという牝馬でした。

ディファレントリーグ勝ったのはロイヤルアスコットのG3アルバニーSで、3戦3勝と土つかずの勝利でした。次走は今月20日にドーヴィルで行われるG1モルニ賞。父も勝っているレースで親仔制覇を目指します。ダビルシムはここまでヨーロッパ各地で24頭が出走し10頭が勝ち上がり、通算13勝で新種牡馬ランキングの2位につけています。出走頭数の少なさを思えば、大威張りできる成績です。また勝ち上がり率は42.7%と群を抜くハイアベレージをマークしています。サンデーサイレンスの遺伝力たるや驚くべき威力を秘めています。注目されることもなくヒッソリとアメリカに渡ったハットトリックがこれだけの大仕事をしてくれたののも感動すら覚えます。後輩たちに道を開いたという意味でも賞賛されるべきしょうね。

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