きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

欧州マイル戦線は混沌

8月3日は杉浦宏昭調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

昨日、ヨーロッパには世代交代の風が吹いていると書きました。確かにスプリント戦線では快速牝馬レディーオーレリア、デビューから6連勝を記録したカラヴァッジオといったスキャットダディ産駒を中心に、そのカラヴァッジオにG1ジュライCでストップをかけたハリーエンジェルなど3歳馬がハツラツとした活躍を見せています。2400m級では先日のキングジョージで3歳牝馬のエネイブルが古馬を一蹴して凱旋門賞の本命候補に躍り出ました。昨日お伝えしたマラソンレース分野のG1グッドウッドCでも3歳のストラディヴァリウスが古馬チャンピオンのビッグオレンジを下しています。2000m級は昨年の欧州チャンピオンに君臨したアルマンゾルが依然として休養に入ったままですが、古馬VS3歳馬の第1ラウンド・G1エクリプスSでは3歳馬バーニーロイが4歳馬ユリシーズにハナだけ負けましたが、バーニーは初距離だったことや、今年から従来より斤量差が1ポンド≒0.45キロ縮められたことを考えると、実力負けではないとも推測できます。

さて残るマイル路線の前半戦のチャンピオン決定戦であるサセックスSは、レース直前に雨の重馬場を嫌って3歳チャンピオンのチャーチルが出走取り消し。今季はロッキンジS、クイーンアンSとG1を連勝中のリブチェスターが1.6倍と圧倒的な人気に支持されました。日本のファンにとっては、春先のG1ドバイターフで大魔神こと佐々木主浩さんの愛馬ヴィブロスに差し切られて3着に負けた馬で、そんなに強いのかい?というイメージもあるでしょうが、とりあえずの暫定チャンピオンであるのは認めざるを得ません。

レースは3歳がチャーチルが所属するオブライエン厩舎のもう1頭ランカスターボンバーと古馬6頭の7頭立てになり、雨が降りしきる中、その暫定王者リブチェスターが逃げて馬群を引っ張ります。リブチェスターの逃げ切りかと思われたゴール前で後続が殺到し、ヒアカムズウェンがクビ差し切りました。メンバー中では最高齢の7歳セン馬でした。3歳ランカスターはブービーの6着。古馬優位というより、この馬自身の力が少し足りなかった結果でしょうね。世代間の実力比較はお預けの形ですが、牝馬マイルG1路線ではニューマーケットのファルマスSとドーヴィルのロートシルト賞のいずれも3歳のローリーポリーが連勝しています。成長著しい良血馬なのですが世代一番馬という存在ではなく、3歳勢の層の厚さは疑えないようです。風向きが変わるのか?それとも戻るのか?決着は秋まで持ち越されそうです。

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