きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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2000年(ミレニアム)のドバイワールドCを勝つべく宿命を背負って誕生したのがドバイミレニアムという馬です。モハメド殿下の自家生産馬でゴドルフィンの勝負服、ジャックルマロワ賞、クイーンエリザベス2世Sを連勝、マイラーとして非凡な才能をよに轟かせていたこの馬は、ミレニアムのワールドCをレコードで6馬身差の圧勝を飾ります。勝利を前提に生まれ名付けられて、それで現実に勝ってみせる、これはあり得ないほど凄いことだと思います。奇跡ですね。世界競馬史上もっとも派手なエピソードかもしれません。

しかし天は意地悪なものです。ドバイミレニアムは供用わずか1年で死亡してしまいます。残された産駒はたった1世代。奇跡の血は途絶えてしまうのか?死から3年、ドバウィという馬がアイルランドでデビューします。彼はすぐれたスピードを父から受け継ぎG1ナショナルSを制覇、愛2000ギニーを勝つと古馬戦線にチャレンジし、ジャックルマルワ賞で父子制覇の偉業を成し遂げます。彼は種牡馬に迎えられ奇跡の血は繋がることになります。ちなみに産駒のマクフィもジャックルマルワ賞を勝っています。女傑ゴルディコヴァを倒しての父子孫による三代制覇です。何かにつけて派手好みの家系なのかもしれません。

ドバウィの後継馬にモンテロッソという馬がいます。一昨年のドバイワールドCを祖父に続いて勝っています。芝はG2までしか勝ち鞍がなく格下と見られていましたが、日本のエイシンフラッシュ、スマートファルコン、トランセンド、アメリカはデームオンデュード、ロイヤルデルタ、ヨーロッパではソーユーシンクなど、少なくともその時点ではチャンピオンクラスの一流馬相手の勝利でした。前年もヴィクトワールピサ、トランセンドに続く3着に来ており、勝因はメイダン巧者ということに尽きそうですが、単純なフロック視してしまうのは禁物かもしれません。さて、奇跡の血の三代目モンテロッソが日本に来ています。そのあたりの話題は明日お届けすることにします。

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