きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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先月14日、カリフォルニア州ウィリッツ市のリッジウッド牧場にあるシービスケットの馬房が、米国国家歴史登録財に正式に登録されました。

シービスケットは、アメリカ競走馬の歴史にレジェンドとしてその名が刻まれる名馬です。2003年には実話をもとにアメリカで映画にもなり、日本でも公開されました。ご覧になった方も多いことでしょう。

シービスケットは1933年に産まれ、ボールドルーラー、セクレタリアト、ナスルーラ、ミスタープロスペクター、ニジンスキーなど歴史的名馬が過ごしたクレイボーンファームで育成されます。しかし当時のアメリカは、1929年に始まる株の大暴落により大恐慌時代に突入していた時期でした。

シービスケットの生育状態も悪く、小柄な馬だったことからデビュー前、周囲からはあまり期待されていませんでした。1935年にレースデビューしたシービスケットでしたが、目立った成績はなく、下級条件戦ばかりを走っている馬でした。そのシービスケットは、アメリカの自動車販売業者だったチャールズ・スチュワート・ハワード氏に売却されます。それがシービスケット伝説のはじまりでした。

米国国家歴史登録財に登録された馬房には、1940年当時恐慌、戦時中にも関わらず多くの訪問者が訪れたといいます。

映画でも、シービスケットに携わった人々の不屈の精神や家族愛とともに、無名だった三流馬が米国民を魅了し伝説的なヒーローまでになった軌跡が描かれ感動を誘います。ぜひ一度ご覧ください。

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