きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

エンパイアメーカーに追い風が

ようこそいらっしゃいませ。

今年のGWはお天気に恵まれ、気持ちの良い連休をお過ごしになられたと思います。JRAは無論、交流重賞目白押しの地方、海外競馬も盛りだくさんで競馬三昧をお楽しみになられた方も多いのではないのでしょうか。アメリカでは、いきなりケンタッキーダービーで盛り上がりました。勝ったのはオールウエィズドリーミング、ボードマイスターの初年度産駒でした。分かり易く言えば、つい最近まで日本にいたエンパイアメーカーの孫世代です。彼の孫と言えば一昨年の三冠馬アメリカンファラオもその1頭です。

エンパイアメーカーは6年前に鳴り物入りで日本にやって来て、当時既に輸入産駒のフェデラリストやイジゲンが重賞勝ちを収めていたこともあって、日高の期待を一身に集めました。ところが日本輸出後に産駒がブレークして種牡馬王タピットとリーディングサイアーの座を激しく争うなど輸出を惜しむ声がケンタッキーのホースマンの間に広がりました。決め手になったのは一昨年、孫のアメリカンファラオが37年ぶりの三冠馬になったことです。海の向こうから吹いてくる追い風を受けて、初年度204頭、2年目236頭の牝馬を集めたのは期待の現れでしょう。しかし産駒がデビューしても地味な成績に終始して、日本産馬の重賞勝ちは2年目産駒エンパイアペガサスの地方・岩手ダービーが最初でした。GWの交流G2兵庫チャンピオンシップのタガノディグオがJRA所属馬の最初です。エンパイアメーカーは日本生まれ産駒の重賞初制覇を見ることなく、昨年故国に帰っています。若死にした父アンブライドルドの貴重な血を残すためにも、今思えば良かったと思います。

アンブライドルドの血はエンパイアメーカーもそうですが、アンブライドルズソングが現役世界最強馬アロゲートを輩出し、種牡馬入りしたアメリカンファラオも世界中から熱いオファーが殺到、初年度産駒からケンタッキーダービー馬オールウエィズドリーミングを出したボードマイスターも人気沸騰するでしょうから、その勢いはますます増すばかりです。エンパイアメーカーの日本に残された産駒は現5歳から1歳までの5世代のみ。世界の新潮流とも言えるアンブライドルド系の追い風を受けて、どこまで勢力を伸ばすか注目したいと思います。

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