きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

遅れてやってきたヒーローたち

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ゴールデンウィークも後半戦、いかがお過ごしでしょうか。土曜東京競馬場ではプリンシパルステークス、京都競馬場では京都新聞杯が行われます。プリンシパルステークスは優勝馬にダービーへの優先出走権が与えられるトライアルレース、京都新聞杯は収得賞金を加算してのダービー出走を賭けた重要な前哨戦に位置づけられています。京都新聞杯はかつては秋に菊花賞へ向けてのトライアルレースとして行われていました。2000年に菊花賞の開催時期繰り上げとともに春に移設。現在に至ります。

京都新聞杯が春に移設した2000年に優勝したのはアグネスフライトでした。父サンデーサイレンスに母は桜花賞馬アグネスフローラ、オークス馬のアグネスレディーで親子3代のクラシック制覇をアグネスフライトには期待されていました。しかしデビューは遅れて、3歳(当時4歳)の2月に新馬戦に出走。2着サザンスズカに4馬身差をつけて初戦を飾るも、次走の若葉ステークスではマイナス22キロの大幅な馬体減に、出遅れて終始後方からのレースとなり大敗を喫します。皐月賞への出走はかなわず、照準はダービーへと向けられます。アグネスフライトはその後、若葉ステークス、そして春に移設されたばかりの京都新聞杯を勝ち、ダービーへと出走。その年、前人未到のダービー3連覇へ向けて乗り込んできた武豊騎手鞍上のエアシャカールをハナ差ゴール前捉えて、河内洋騎手に初のダービー制覇をもたらすとともに見事同世代の頂点に立ったのでした。

2013年に京都新聞杯を制覇したキズナもまた、遅れてやってきたヒーローの1頭でした。2歳新馬戦でデビュー勝ち。つづく黄菊賞も完勝するも、暮れのラジオNIKKEI杯で3着に敗れ、皐月賞への出走を目指した弥生賞でもスローペースの中、追い込み届かず5着に終わります。その後、毎日杯を勝利して賞金を加算したものの、ダービーを優先して皐月賞を回避。京都新聞杯からダービーへと向かい、エピファネイアとのゴール前の叩き合いを制してダービー馬に輝きました。

先週の青葉賞ではアドミラブルが人気に応えてダービーに名乗りを上げました。西の京都からはどの馬がヒーローになるべく勝ち名乗りを上げるでしょうか。

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