きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

いざ、激突

ようこそいらっしゃいませ。

古馬頂上決戦、天皇賞(春)当日を迎えました。いざ、激突。今年の天皇賞(春)はその言葉がぴったりのレース前の状況となりました。
前走大阪杯を勝ち4つ目のG1タイトルを手にしたキタサンブラックと、前哨戦の阪神大賞典を完勝して乗り込んできたサトノダイヤモンドとの一騎打ちとなっています。この両馬は昨年暮れの有馬記念で初激突。その有馬記念では最後の直線、前を行くキタサンブラックをゴール直前クビ差交わしたサトノダイヤモンドに軍配が上がっています。ひと冬を越し、天皇賞(春)は両馬の2度目の激突となります。

サトノダイヤモンドvsキタサンブラック。父ディープインパクトに、父ブラックタイド。この両馬の激突は、2頭の激突を超えて三冠馬となりさらに競馬史の英雄として刻まれている弟ディープインパクトと、同じ血を持ちながら1つの重賞タイトルに、骨折明け以降ついぞ活躍できずに終わった兄ブラックタイドの、この2頭のどこか代理闘争の様相も伺わせます。弟ディープインパクトが古馬となり日本を沸かせていた2005年から2006年かけて、兄ブラックタイドは骨折治療に専念。2006年秋に復帰するも弟の活躍に隠れて、現役生活後半は存在感も薄くなり、2008年に引退し、引退後は弟ディープインパクトと同じ血統から代替種牡馬として種牡馬生活に入ります。弟の替わり。そんなポジションのブラックタイドが産駒キタサンブラックを送り出し、偉大な弟へ一矢を報いる、そんな想いすらどこか感じさせられます。

前日オッズではサトノダイヤモンドが単勝2.1倍、キタサンブラックが単勝2.7倍となりました。3番人気のシャケトラが単勝10.6倍ですから、サトノダイヤモンドにキタサンブラックの両馬のオッズは拮抗したままレースを迎えることになるのでしょう。長距離、淀の3200m、今年の伝統の盾は、例年以上に情念がこもったレースとなりそうです。

×