きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

悲願のダービー制覇

5月29日は平田修調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

2017年のダービーが終わりました。レースは2番人気のレイデオロが優勝。外国からの輸入馬も含めた3歳馬7015頭の頂点に立ちました。主役不在、大混戦、戦国ダービー。そんな見出しが踊った今年のダービーでしたが、終わってみれば、勝ったレイデオロに2着は3番人気のスワーヴリチャード、3着は1番人気のアドミラブルと上位人気での決着でした。

レイデオロに鞍上のルメール騎手はヴィクトリアマイルのアドマイヤリード(6番人気)、オークスのソウルスターリング(1番人気)、そしてダービーのレイデオロ(2番人気)と3週連続のG1勝利。ダービーでは極端にスローペースの展開とみるや、向こう正面で早め2番手につける見事な手綱さばきで、さらには最終レースの目黒記念でも8番人気のフェイムゲームを優勝に導き、同日重賞2勝の固め打ちでした。

レイデオロは父キングカメハメハ、母父シンボリクリスエス、母はラドラーダの血統です。母の母レディブロンドはディープインパクトの半姉で、レディブロンドに、ラドラーダ、そしてレイデオロといずれも藤沢和雄調教師の管理馬になります。藤沢和雄調教師は、開業30年目、平成元年にロンドンボーイで初めてダービーに挑んでから29年を経ての悲願のダービー制覇となりました。開業から5年で関東のリーディングトレーナーになって以降、毎年のように重賞馬、G1馬を送り出しながらも、ダービー制覇までにはあと一歩届かずでした。遠い縁だったダービーが、先週オークスを勝ちそしてこれまでの長きに渡る無縁がなんだったのかと思えるほどの結果で優勝。同年ダービーとオークスのダブル制覇は5人目の快挙になりました。

それにしてもオークス、ダービーと何か目に見えない流れというか、不思議な因果を感じさせられるレースとなりました。今回のダービーで1番人気となったアドミラブルは青葉賞をレコードタイムで勝ち上がり、史上最強の青葉賞馬と謳われ1番人気に支持されてのダービー出走でした。この青葉賞Vからダービーへのローテーションは、藤沢和雄調教師が取り入れていた王道でした。しかしシンボリクリスエス、ゼンノロブロイ、ペルーサと青葉賞を経由してダービーに向かうもダービー優勝を逃し、その年ダービーを制覇したのはいずれも皐月賞を経由した馬でした。立場が変わり、今回史上最強の青葉賞を破っての悲願達成に、どこか目に見えない因果あるいは運命のようなものも感じさせれれました。
そして、1990年代から始まった藤沢和雄調教師の時代が、1990年代、2000年代、2010年代と円を描き、再び形を変えてこれまでとは違った藤沢和雄調教師の時代が到来してくるようにも思われました。

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