きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

欧州スプリント戦線が熱い!

5月25日は大橋勇樹調教師、中川公成調教師、高木登調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

欧州競馬と言えば、スター揃いの華やかなG1戦線にスポットライトが当てられがちですが、ご承知のように障害も高い人気を誇っていますし、スプリントレースにも根強い支持があります。20頭を超えるような多頭数も珍しくなくG1級を除けばハンデ戦が中心ですから馬券的妙味に富み、マスコミ露出度はマイルと中長距離G戦でも売上は負けていないぞみたいな感じでしょうか?今年はその欧州スプリント戦線が例年にも増して充実しています。

台風の目はスキャットダディ産駒の揃い踏みです。昨年のロイヤルアスコット開催にアメリカのウェスリー・ワード調教師が送り込んだレディオーレリアはその足でフランス遠征しG1モルニ賞を制覇して、ヨーロッパ2歳牝馬チャンピオンに輝きました。ワード師は一昨年にもアカプルコで、数年年前にはノーネイネヴァーでロイヤルアスコットに旋風を巻き起こしています。アカプルコは今季からアイルランドのエイダン・オブライエン厩舎に移籍し順調なスタートを切っています。そのオブライエン厩舎には負け知らずのスキャットダディ快速馬カラヴァッジオもいます。これらが一堂に集まって層の厚い既存の欧州スプリント陣に挑戦状を叩きつけ構図が、ファンを熱狂させています。

スキャットダディは日本にいる天才早熟馬ヨハネスブルグの初年度産駒で、アメリカとシャトル先の南米チリで次々とG1馬を輩出して注目されましたが、一昨年12月に11歳で急死して惜しまれています。どんな血統かと言えば、ヨハネスブルグが典型的で2歳時7戦7勝、アイルランド、フランス、イギリスでG1を勝ちまくり、仕上げはアメリカのBCジュベナイルに遠征しダートでも圧勝しました。スキャットダディを頂点とするヨハネスブルグ系の子孫たちは、概ねこの偉大な早熟馬のコピーといった印象が強い活躍ぶりです。

迎え撃つ旧勢力は、今や欧州スプリント界を牽引するインヴィンシブルスピリット産駒のクワイエットリフレクション、プロフィッタブル、サインズオブブレッシングのチャンピオンホースを筆頭に、マイルとスプリントを行ったり来たりしている実力派リマトなどハイレベルな顔ぶれが揃っています。今週末のG2テンプルSを皮切りに、スプリント戦が充実したロイヤルアスコットではキングススタンドS、ダイヤモンドジュビリーS、3歳限定のコモンウェルスCなどG1レースが目白押しです。残念ながら日本で馬券発売されませんが、どうぞお楽しみに。

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