きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

香港春の陣【第四幕】

5月4日は平沢健治騎手、尾形和幸調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

香港スプリント陣のレベルの高さと層の厚さは世界に響き渡っています。今回のG1チェアマンズスプリントプライズは日本馬はおろかオーストラリアやヨーロッパからも参戦がなく、最終的なエントリー12頭すべてが香港調教馬となりました。昨年はオーストラリアのNo. 1スプリンターのシャトークアが勝っているレースです。遠征馬ゼロというのは珍しいケースです。それほど現在の香港スプリント陣営は他から恐れられるほど充実しているということでしょうか。その充実ぶりをさらに誇示するように超新星が登場してきました。

ミスタースタンニングというデインヒルからダンチヒに遡るエクシードアンドエクセル産駒で、重賞戦線に顔を出したのは前走のG2スプリントCが初めてだったのですが、並み居る強豪を一飲みにする強烈な末脚で買ってしまいました。着差は逃げたペニフォビアに半馬身差でしたが、内容的には圧勝と言って良い強さでした。もちろん主戦モレイラ騎手の絶妙の手綱さばきもあったのですが、それに応えた馬の賢さも際立っていました。母父がダンチヒ系のデイジュールですから、快速血統ダンチヒの3X3という近親配合馬です。ダンチヒ系らしく胸前の発達した筋骨隆々の馬体で、日本には余り見られないパワータイプのスプリンターです。南半球馬齢で4歳とまだ若く、この先日本馬にとって厚く高い壁になりそうです。馬券発売はありませんが、その意味でも注目したい一番です。

最後にヨーロッパクラシック開幕戦の英2000ギニーの展望です。G1を連勝中で今季ここが初登場になるガリレオ産駒のチャーチルが圧倒的な人気に支持されています。「別の馬になったように成長した」とエイダイ・オブライエン師も自信を隠しません。フランスから参戦のドリームアヘッド産駒アウルケア、フランケル産駒エミネント、エクセレブレーション産駒バーニーロイなどが続きます。対抗格3頭の父はすべてフランケル世代の新種牡馬です。帝王ガリレオの血を継いで進化したチャーチルの牙城を、果たして新世代が突き崩せるでしょうか?去就が注目されていたゴドルフィンのサンダースノーはモハメド殿下の決断で同日にケンタッキーダービーに向かうことになりました。UAEダービーで日本のエピカリスとの死闘を制した馬です。ベルモントS参戦予定のエピカリスの力量を測る意味でもサンダースノーの頑張りに期待したいものです。

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