きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

香港春の陣【第三幕】

5月3日は福島信晴調教師、高橋義忠調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

5月の声を聞いたと思ったら、いきなりヨーロッパ競馬が華やいできました。フランス・サンクルー競馬場で行われたガネー賞2100mで、いよいよ今季のG1サーキットがスタート。出走7頭中5頭がG1馬という豪華な顔ぶれの中でG1未勝利ながら今季に入ってG3、G2を連勝してきた上がり馬クロスオブスターズが絵に描いたようなホップ・ステップ・ジャンプを決めています。2着に食い下がった歴史的名牝ザルカヴァの息子の超良血ザラクもG1勝ちはまだなく、G1未勝利馬のワンツーと下克上な決着になりました。素質馬が期待通りの成長を見せてくれるのは心強いものです。イギリスではG2ムーアズブリッジSに昨年のヨーロッパ年度代表馬マインディングが登場しました。格下相手とは言え、余裕で3馬身半突き放す楽勝で女王は今季も相変わらず強いです。今後はマイル路線と中距離路線の両睨みのようですが、後者なら来月中旬ロイヤルアスコットのG1プリンスオブウェールズSでクロスオブスターズとの対決が実現するかもしれません。楽しみです。

さて、お話を香港に戻します。春のG1シリーズ第1弾のクイーンエリザベス2世Cは日本のネオリアリズムが見事に期待に応えてくれました。8頭中6番枠スタートでやや出が悪く、外枠絶対不利のシャティン2000mでどうなるかと心配しましたが、さすがジョアン・モレイラ騎手、少頭数で縦型の隊列も良かったのでしょう。向正面でスルスルと上昇し、地元勢の追撃を封じ込んで先頭でゴールしました。ジョアンマジック炸裂の名場面でした。2着には香港の人気者パキスタンスターが追い込んで、地元ファンも満足の好一番となったのは幸いでした。

そのパキスタンスターがどうしても歯が立たなかったのが、今週のチャンピオンズマイルに登場するラッパードラゴンという馬です。香港競馬史上初の三冠馬、例えがちょっと古いのですがシンザンを思わせる盤石の安定感です。この馬にもモレイラ騎手がパートナーを勤めます。残念ながら日本での馬券発売はありませんが、昨年の香港マイルでネオリアリズムなどを負かしてチャンピオンになったビューティーオンリー、今年に入ってG1を2連勝しているヘレンパラゴンが相手候補でしょうか。ヘレンは前走を大敗していますが、トライアルはトライアル。同じような相手と戦い続ける香港では、こうした駆け引きがレースの行方を左右することが珍しくありません。ここ一番の大駆けがあるかも?明日は香港のもう一鞍チェアマンズスプリントプライズとヨーロッパクラシック第1弾の英1000ギニー&2000ギニーの話題をお届けします。

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