きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

新設G1

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今週末は土曜に中山競馬場でダービー卿チャレンジトロフィー、日曜は阪神競馬場でG1大阪杯が行われます。大阪杯は今年からG1に格上げされ、記念すべき昇格後の最初のレースになります。新しいG1の誕生は2006年ヴィクトリアマイル以来、G2からの昇格でみれば1997年のフェブラリーステークス以来となります。これまで国内の古馬春のG1は天皇賞(春)が頂点にあり、その先に宝塚記念がグランプリとして構える形でした。中距離馬にとり距離3200mは過酷であり、海外に視野を広げてドバイ、あるいは香港へと向かう実力馬が出てきたのが2000年を過ぎてからになります。とはいえ国内専念組にとってはとれる選択肢は限られ、安田記念では距離が忙しい、であれば宝塚記念へ向けての調整といった形での調整はつづいてきました。

G1が新設は重賞レースの生態系といいましょうか、関連性だけでなく国内の競馬史にも大きな影響を与えていきます。新設G1というと、1996年の高松宮記念(当時は高松宮杯)を思い出します。距離を短縮して1200mのG1レースとして姿をかえて行われた第1回目のレースで話題を集めたのが、短距離王決定戦ではなくて三冠馬ナリタブライアンの出走でした。あの当時といまとでは競馬の景色もだいぶ変わりました。

新たな中距離G1の誕生で、かつてから根強くあった天皇賞(春)の距離短縮論もこれでなくなることでしょう。まだ植えられたばかりの中距離G1も、あと何年もすればすっかり定着して競馬史に与える影響も拡大していくことでしょう。
中距離馬、長距離馬、海外組、マイル組が春G1の前半戦でそれぞれの頂点を極め、春のグランプリに一堂が集結、そんな流れになれば競馬も大いに盛り上がりそうですね。

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