きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ようこそいらっしゃいませ。

凱旋門賞挑戦を表明したハープスターの強敵は牝馬2頭、連覇を狙うトレヴと1勝馬ながら底が知れないチキータです。前者はモンジュー系モティヴェーター産駒であり、後者はモンジュー直仔と同系の血統の持ち主になります。そこが一点だけ気懸りだと昨日お話ししました。

ヨーロッパでは現在、ガリレオが断然の存在として君臨、2400m級の大レースでモンジューの一発が飛び出す、大まかに言えば、そんな構造になっています。なぜガリレオが独走状態なのか考えてみると、モンジュー系は好不調の波が激しいのに思い当たります。

モンジュー自身、仏ダービー(当時は2400m)を快勝して以来、凱旋門賞で逃げるエルコンドルパサーを差し切った歴史的勝利を含めて9戦8勝、負けたのは固い馬場のジャパンCだけと絶対王者の風格を漂わせていました。ところが2度目の凱旋門賞4着以降は勝てないまま引退、明らかに全盛期の姿にはありませんでした。モティヴェーターも英ダービーまで4戦不敗、しかしその後は勝利の美酒を味わえませんでした。記憶に新しいところではキャメロットでしょうか。5戦5勝でセントレジャーに向かい、ニジンスキー以来、42年ぶりの三冠馬誕生かとファンに固唾を飲ませましたが、格下相手にアッサリ負け、その後はサッパリの成績です。凱旋門賞馬ハリケーンランにもそうした傾向が見られました。

果たしてトレヴ、チキータがモンジュー系の一流馬につきまとう不吉な影をぬぐいされるのか?今年の凱旋門賞の焦点の一つだろうと思います。

×