きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

シルバーコレクター

ようこそ、いらっしゃいませ。

今週末は日本でGI高松宮記念が、ドバイでは世界中の競馬関係者が注目するドバイワールドカップデー2017が行われます。
日本人ジョッキーが初めてこのドバイで騎乗したのは岡部幸雄元騎手と、武豊騎手の2人で、1993年に開催された第1回ドバイ国際騎手チャレンジに招待されてのことでした。当時のドバイは、砂漠の中にぽつんと競馬場があり、その周辺は人の数よりらくだの数のほうが多かったそうです。
ヨーロッパの競馬に負けないようなビッグレースを作りたい――シェイク・モハメド殿下の思いがカタチになったのはそれから3年後、1996年のことでした。世界最高の賞金を目指し、世界各地から一流馬が集結。日本を代表して参戦した石橋守騎手(現調教師)とライブリマウントが、アメリカが生んだ名馬、シガーと走るという夢のようなレースが実現しました。

日本馬が初めてその名を歴史に刻んだのは2001年……ドバイシーマクラシックに挑んだステイゴールドです。道中は中団で待機。最期の直線でわずかな隙間をこじ開けて抜け出すと、ゴール前では前年のワールドシリーズ王者、1番人気のファンタスティックライトと火の出るような激しい叩き合い。騎乗していた武豊騎手が、「勝ったという感触はあったけど、写真判定の結果が出るまでは心臓がばくばくでした」と振り返るほどの名勝負で、サンデーサイレレンス産駒が世界への扉をこじ開けた瞬間でした。
4度のGIを含め2着が12度。“シルバーコレクター”と呼ばれたステイゴールドの快挙に日本中の競馬ファンが沸いたのはいうまでもありません。そのステイゴールドがこの世に生を受けたのが、23年前の今日……1994年3月24日でした。

生涯成績50戦7勝――。
しかし、ステイゴールドが残した強烈なインパクトは、この数字だけでは語ることの出来ないものがありました。

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