きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

王者の貫禄

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日曜阪神競馬場で行われた阪神大賞典は、単勝1.1倍の圧倒的支持を集めて出走したサトノダイヤモンドが完勝、レースレコードに0.1秒迫る好時計で今年初戦を飾りました。レースは最初の直線でウインスペクトルが先頭に立って逃走。縦長の展開になる中、サトノダイヤモンドは後方3番手を追走し、最終コーナーで馬群が固まったところで外から前に進出し、直線で先に抜け出したシュヴァルグランを交わし最後は1馬身半差をつけての勝利でした。昨年の神戸新聞杯から4連勝。5つ目の重賞タイトルとなりました。

それにしてもサトノダイヤモンドは先を見据えた調整だったとはいえ、風格、佇まい、走り、どれをとっても王者と呼ぶにふさわしい内容でした。阪神大賞典は多くの名馬が明け4歳となり初戦として走った舞台でもあり、近年ではディープインパクトは強風をものともせずに天馬の走りを魅せ、オルフェーヴルは破天荒な走りで怪物ぶりを強烈に印象づけました。しかし過去の優勝を飾ったどの名馬を思い浮かべても、サトノダイヤモンドは歴代の名馬とはまたひとつ違う気品や威厳を持ったまるで帝国の君主のような安心感と威厳に溢れた姿を披露しました。

次走は天皇賞(春)で、秋には凱旋門賞を目標に渡仏のプランが描かれています。サトノダイヤモンドはどの舞台、どの条件、どんな相手でも不動の地位を築き上げる、そんな想像ばかりが浮かんできます。まさに歴史を刻む最強馬。今年新たなの扉が開きそうな予感がします。

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