きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

第二のケンタッキーダービーロード

ようこそいらっしゃいませ。

たびたびご紹介しているケンタッキーダービー優先出走権というビッグプレゼントのかかった「ジャパン・ロード・トゥ・ザ・ケンタッキーダービー」ですが、最終戦であるOPヒヤシンスSが同コース同距離のG1フェブラリーSと同日の先週日曜に行われました。圧倒的1番人気のエピカリスが好位から抜け出し、マイペースで逃げた2番人気アディラートをゴール前できっちり交わし、晴れて「世界でもっとも興奮する2分間」と讃えられ尊敬される「ダービーの中のダービー」の切符を世界一番乗りで掴み獲りました。おめでとうございます。

エピカリスは前日に急逝したゴールドアリュールの忘れ形見で、フェブラリーSのゴールドドリームともどもの勝利は父に捧げる鎮魂歌となりました。これで4戦4勝の負け知らずのまま敵地チャーチルダウンズへ乗り込むことになります。ご承知のようにゴールドアリュールは、国内ではスマートファルコン、エスポワールシチー、コパノリッキーなどを旗頭にG1を総ナメの勢いですが、国際舞台ではまだ結果が出ていません。アメリカ二冠馬の出自ながら、日本で独自の発展を遂げたサンデーサイレンス系を代表するダートのプロフェッショナル血統の真価を披露するのに、ケンタッキーダービーは最高の舞台でしょう。頑張ってくれるでしょう。海の向こうにも届く声援を送りたいと思います。

エピカリス以外の日本調教馬にとって、ケンタッキーダービーはまだ終わったわけではありません。去年ラニが通ったUAEダービー経由の道が残されています。日本勢はヒヤシンスS2着のアディラート、同4着のフォギーナイトを始め大挙して登録しています。ドバイは招待レースですから、登録しても出走が保証されるわけではありませんが、仮に招待されて勝てば文句なしにケンタッキーダービーへの道が一気に開け、2着でも例年ですと権利獲得の可能性は高くなります。ただ皮肉なことに今年は日本枠が増えたことで、フルゲート20頭へのハードルが相対的に上がり、関門が狭くなっているのも確かです。アディラートのケレン味のないスピード、先行馬ペースのヒヤシンスSで出遅れながら追い込んできたフォギーナイトの末脚には見どころがありました。ラニと同じタピット産駒で、チャンピオンサイヤーの血の確かさを証明しました。楽しみでなりません。

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