きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ベストバウトはBCクラシック

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ベストバウト(最高の試合)という言葉は、プロレスやボクシングなどの格闘技系で技術と精神の粋を極め人々を最高に興奮させ感動させた戦いを讃える時に使われることが多いのですが、競馬の世界でもベストレースという形で、IFHA(国際競馬統括機関連盟)が発表しています。世界のG1レースを対象に、それぞれ4着までに入線した馬のレーティングを合計・平均したものが、そのレースのレースレーティングとなり、これをランキングしたものが発表されます。かつては3年間の平均値をとってランキングしていました。でもフランケルのように傑出した名馬がいると、その引退後もランキングに反映されることになります。こうした不都合もあって今年から年間単位で集計されています。

昨年の“ベストバウト”にはアメリカのBCクラシックが選ばれました。別に発表された個々の馬のレーティングで、134ポンドと世界一のアロゲート、それに続く133ポンドで世界2位のカリフォルニアクロームが直接対決して、ワントゥーを決めたのですから、文句なしの名勝負でした。お伝えしているように、この両雄は今週のG1ペガサスワールドCで1着700万ドルと世界最高賞金を賭けて再びガチンコ勝負に挑みます。競馬ファンの枠を超えて、人々を興奮・感動させるエンタテインメント技術にかけては、アメリカというのは世界一の国かもしれません。

日本国内におけるベストバウトは中山名物の有馬記念が選ばられています。サトノダイヤモンド、キタサンブラックに、昨年の覇者ゴールドアクターを加えた名勝負は後世までの語り草になるでしょうから、これも文句なしですね。宝塚記念と天皇賞秋がそれを追い、世代限定の皐月賞、ダービーが続いています。今年の4歳世代は強いという評判を世界のホースマンも認めた形です。有馬記念と宝塚記念の両グランプリの間にランキングされたのが香港Cで、天皇賞秋とこのレースの両方を勝ったモーリスのレーティングも上方修正されて、逆にイスパーン賞圧勝の着差誤認?などで下方修正されたエイシンヒカリと並ぶ127ポンドとなり、日本調教馬では最高ランクです。天皇賞春のキタサンブラック、菊花賞のサトノダイヤモンドはカテゴリー自体の評価が低いため後塵を拝していますが、世界から認められるためには2000m~2400mのカテゴリーで強さを見せつけることが必要なのかも?と改めて痛感させられるランキングでした。

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