きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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今年のヴィクトリアマイルは、昨年の優勝馬ヴィルシーナが見事復活を遂げてレース史上初の連覇達成となりました。

ヴィルシーナは当日は単勝28.3倍の11番人気でのレースでした。3歳時はジェンティルドンナと4度に渡る激突を繰り広げた馬でした。先着こそ成し得なかったもののいずれも2着でその実力は充分に示され、古馬牝馬としても牝馬を牽引していくだろうと期待されていまいた。

昨年のヴィクトリアマイルでホエールキャプチャをハナ差しりぞけ初のG1タイトルを手にしたものの、以後一度も掲示板にすらのることができずに凡走。古馬牡馬との実力差、あるいは距離の壁など嘆かれつつも、昨年エリザベス女王杯でメイショウマンボの10着、ジャパンカップ7着、ヴィクトリアマイルと同じ舞台の東京新聞杯が11着、久々の牝馬限定戦となった阪神牝馬ステークスですら見せ場なく11着と、結果が出ないレースの日々は、1年前の栄光を霞ませ、新興勢力や他の牝馬に影に自身を追いやっていました。

それが今回、スタートから先手を奪い積極的に主張しての見事な復活劇です。直線残り100mで猛追してきたひとつ下の世代で牝馬二冠・昨年のエリザベス女王杯覇者メイショウマンボを振りきって優勝したこともドラマ性を高めました。

しかし残念なのは、このかくも熾烈な淑女のドラマは、そのつづきは秋までまたなければならないことです。今年のヴィクトリアマイルは、前年比5.6%増の売り上げでした。牝馬同士の激突でも充分に盛り上がりをみせられつづければ、わずか2鞍の古馬牝馬G1にもいずれ風穴が開く日が来るでしょうか。

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