きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ポスト・モーリスをめぐって

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今週末は京都競馬場で秋のマイル王決定戦・マイルチャンピオンシップが行われます。昨年は安田記念からぶっつけ本番で挑んだモーリスがフィエロを振り切って優勝。春秋マイル連覇を果たしました。振り返れば当時モーリスは休み明けを懸念されて4番人気でした。いま思えばファンの想像力がモーリスの強さに追いついていなかった、あるいはファンの想像力を超えるほどの怪物馬だったわけですが、そのモーリスは今年香港カップへ出走。世界の舞台で引退の花道を飾ることになり、マイル路線は再びモーリス登場以前の混沌とした状況となりました。

出走登録数18頭の中で、唯一3歳馬ロードクエストがマイルチャンピオンシップへと駒を進めました。3歳馬のマイルチャンピオンシップ制覇といえば、タイキシャトルにアグネスデジタルを思い出します。タイキシャトルは3歳(当時の馬齢4歳)時に連勝街道を歩みマイルチャンピオンシップへと出走。人気の面では当時芦毛の怪物と呼ばれていたスピードワールドに譲ったものの、レースではキョウエイマーチ以下を引き離して完勝。次走のスプリンターズステークスをも制し、史上初の秋短距離GI連覇達成となりました。
アグネスデジタルのマイルチャンピオンシップも衝撃的でした。ユニコーンステークス1着に武蔵野ステークス2着からマイルチャンピオンシップに出走。ダート馬との見方が多数占めたことで13番人気とまったく馬柱の陰に隠れる中、後方一気で差し切り優勝。1分32秒6のコースレコードで、まさに仰天のレースで強烈にファンに印象を残しました。

今年のマイルチャンピオンシップは4歳馬もヤングマンパワーのみで5歳馬以上が多数を占めています。ポスト・モーリスをめぐり、若い世代が歴史にもファンの脳裏にもインパクトを残すことができるでしょうか。

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