きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

王者の誇りと強さ

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日曜東京競馬場では天皇賞(秋)が行われました。昨年無敗で年度代表馬となったマイル王モーリスの中距離G1挑戦に、世界ランキング1位になったエイシンヒカリの凱旋。両馬の激突が中心となって話題を織りなした今年の天皇賞(秋)でした。

レースは1枠1番に入ったエイシンヒカリが先手を奪って逃走。競りかけたロゴタイプが2番手につけ、モーリスは5番手好位からのレースで展開。昨年の覇者ラブリーデイがロゴタイプを交わして2番手となり、道中の1000m通過は60秒8。馬場の回復が遅かったのか、予想よりもゆったりとしたペースで流れ、最後の直線外に進路をとったモーリスが坂を駆け上がったところで猛然と先頭にたち、最後はそのまま押し切っての優勝でした。2着には1馬身半差でリアルスティール、さらに1馬身1/4差で3着にステファノスが入り、エイシンヒカリは直線早々と失速し12着の結果でした。

それにしても最後の直線は、モーリスの王者としての誇り、強さを強烈に感じた走りでした。
昨年無敗で国内マイルG1を連覇。香港マイル連勝でもはや世界のマイル王に君臨したモーリスでしたが、春の安田記念でロゴタイプに不覚をとり連勝ストップ。その後、以前から話にあがっていた中距離路線を表明し、単勝1.6倍の支持を受けての参戦となった札幌記念でしたがネオリアリズムの逃げ切りでまさかの連敗となりました。されど、それでも向かった先は挑戦の舞台である天皇賞(秋)で、1番人気の支持を集めるも今回は単勝3.6倍。不安と期待とが入り交じる中、モーリスは王者の走りでそれらの視線を吹き飛ばしました。
まさに最強馬。再びモーリスに時代の風が吹きよせた今年の天皇賞(秋)でした。

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