きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

未来を変えていく世代への指標

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明日の菊花賞を前に、土曜東京競馬場で行われる富士ステークスは例年以上に注目を集めるレースとなりました。出走頭数11頭ながらも密度が濃く今後のテーマが湧き出るメンバー構成です。その中心を成すのが、ハイレベル、歴代最強世代と称され競馬を牽引してきた3歳馬で、3歳馬の中でも抜群のマイラー感性を持つロードクエストがマイルチャンピオンシップの前哨戦としてこの富士ステークスに出走してきました。

ロードクエストは昨年6月の東京競馬場1600mの2歳新馬戦でデビュー。ちょうどこの日のメインでは、モーリスが4連勝で安田記念を制覇し初のG1タイトルを手にした日でした。6番人気でスタートは出遅れ後方追走ながらも、直線ノーステッキで加速。あっという間に馬群を抜き去り「メチャクチャ強い」その表現がピッタリの走りでデビュー戦を飾りました。強烈な印象を残したのが、つづく2戦目の新潟2歳ステークスでした。
2013年にハープスターが同じ舞台でのちの皐月賞馬をあっさり交わして圧勝したレースにも驚きましたが、それ以上の着差とタイムで完勝。ただただその強さに脱帽といったレース内容でした。それよりもさらに驚かされるのが、そのロードクエストを上回る同世代馬が続々登場したことで、皐月賞からNHKマイルカップ、ダービーへと走ったロードクエストは、ひと夏を越して歩むべき道をマイル路線へと決めたのでした。

ロードクエストは古馬との2度目の激突に挑みます。イスラボニータにダノンプラチナ、フルーキー、ヤングマンパワーと前回よりもスケールアップした古馬が待ち構えます。今年の3歳世代は未来を変えていく世代なのか。同世代が明日の菊花賞で頂点を決するその舞台の前日に、非常に楽しみなレースとなりそうです。

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