きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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東京は木曜から雨が降り続いています。雨脚は強くなる一方です。週末も雨予報ですから、今年の安田記念は良馬場は難しそうです。馬場状態が悪化したなかでの安田記念で想い出すのは、1998年のレースです。この年の安田記念は、前年のマイルチャンピオンシップ、スプリンターズステークス覇者タイキシャトルが重賞5連勝で挑んだレースで、単勝1.3倍の支持を集めての出走でした。タイキシャトルはこの年、フランスに遠征することが発表され世界に向けての壮行レースでもありました。レース当日、競馬場には雨が降り続き、まるで水上レースのような水が浮いた不良馬場の中をタイキシャトルは圧勝。無敵の強さを魅せつけ世界へと飛び立ったのです。

同時にこのレースでファンを驚かせたのが2着に入ったオリエンタルエクスプレスでした。アイルランドで生を受けその後イギリスから香港へと渡った馬で、この年の安田記念に出走した時は8番人気とノーマークといっていい存在でした。

その後、フェアリーキングプローンにサイレントウィットネス、ブリッシュラックなど日本で香港馬がたびたび活躍するようになりますが、当時は彼らが登場する以前でしたから、オリエンタルエクスプレスの2着は失礼ながら、驚きの中に香港馬が?といった感情もありました。しかしその年の秋のジャパンカップでスペシャルウィークの2着に香港馬のインディジェナスが入り再びファンを驚かせ、その2年後の2000年の安田記念ではフェアリーキングプローンにディクタットの香港馬両頭のワンツーで、香港馬の存在感はファンにまざまざと刻まれたのでした。

さて今年は香港からグロリアスデイズが参戦です。3度目の安田記念です。振り続ける雨。レース後、ファンは再び香港馬の存在に驚かされることになるのでしょうか。

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