きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

血の宿命を乗り越えて

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日曜京都競馬場では3歳牝馬クラシック最終章・秋華賞が行われました。ビッシュが1番人気で単勝2.5倍、2番人気がジュエラーで単勝3.9倍、3番人気がヴィブロスで単勝6.3倍とここまでが10倍を切るオッズで、パールコードが単勝13.7倍、レッドアヴァンセが単勝17.0倍、デンコウアンジュ、ミエノサクシードが20.3倍と以下つづいてのレースとなりました。

勝ったのは3番人気のヴィブロスでした。道中はクロコスミアが先手を奪って1000m通過59秒9のペースでレースをつくり、ヴィブロスは中団を追走。直線で上がり33秒4の末脚で先行馬を飲み込み、最後の一冠をものにしました。ヴィブロスは父ディープインパクト、母父マキャベリアン、母はハルーワスウィートで、全姉にはヴィクトリアマイルを連覇したヴィルシーナがいる血統です。全姉のヴィルシーナは2012年の3歳牝馬クラシック世代で、同世代の女傑ジェンティルドンナとの激突に火花を散らした馬でした。3歳時、桜花賞、オークス、秋華賞いずれもジェンティルドンナの2着で、前哨戦のローズステークスも入れれば4戦続けてジェンティルドンナの前に勝利を阻まれ続けました。4度目の激突となった秋華賞は特に印象深いレースでした。積極的先行策で先手を奪い、ジェンティルドンナよりも前でレースを進め勝利目前まで迫ったところで、ジェンティルドンナにハナ差交わされてのゴールでした。

ヴィブロスは春はクラシックは未出走。ひと夏を越して立て直され、シルバーコレクターとして3歳牝馬クラシック戦線を歩み続けた全姉の血の宿命を乗り越えての勝利となりました。

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