きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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ヴィクトワールピサの引退が発表されました。ドバイワールドCの歴史的勝利の後は順調さを欠き、競走馬としては不本意な引き際かもしれません。しかしドバイの快挙が震災直後の日本に大きな勇気と希望の光をもたらしたのは間違いありません。毎年3月11日が訪れるたびにピサの快挙が思い出され、語り継がれることでしょう。

サンデーサイレンスの孫世代の種牡馬です。大物という意味合いではフジキセキ産駒のダノンシャンティ、ステイゴールド産駒のドリームジャーニー、ナカヤマフェスタ、アグネスタキオン産駒のディープスカイなどに続くもので、これらの孫世代が成功するかどうかで、サンデーサイレンス系が末長く父系の枝が広げられるのか、日本のホースマンが固唾を飲んで見守ることになります。

ネオユニヴァース産駒は、一般にクラシックシーズンに競走馬としてのピークを迎えるタイプが多いようです。しかしピサのように底力に富んだ馬は、その後も成長を続け超一級の古馬として活躍します。ピサの母系の優秀さを証明するものでしょう。良い種牡馬になると思います。

ピサのもう一つの功績は日本馬に勇気を与えたことです。一流馬が本気で海外遠征に取り組めば結果はついてくる、と。来春はスマートファルコン、トランセンドとダート界の大物、三冠馬オルフェーヴルもドバイを視野に入れています。オーブルチェフのUAEダービー参戦なんてのもある?そういう意味で2011年は日本競馬の国際化新世紀への第一歩だったかもしれません。

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