きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ガリレオVSその他【後】

ようこそいらっしゃいませ。

今週末のブリティッシュチャンピオンズデーのクライマックスを飾る英チャンピオンSは、先週もお伝えしたように、ヨーロッパ年度代表馬の行方がかかる大一番となります。今年の欧州戦線は季節毎にヒーローやヒロインが入れ代わる乱世戦国模様でした。春先から夏にはドバイシーマクラシックで日本のドゥラメンテを完封したポストポンドが、英愛ダービーをダブル制覇したハーザンドと並んで頂上を争う二強と目されていました。とくにポストポンドは、今世紀を前後して急速に評価を高め、現代のチャンピオンディスタンスとして定着した10ハロン戦のインターナショナルSも完勝してチャンピオンの座は確定的とすら思われました。

ところがポストポンドが軽い故障で休養中にガリレオ産駒のハイランドリールがキングジョージで逃げ切りを決め、秋口にはG1馬が勢揃いして今季最高レベルとファンをワクワクさせた10ハロンの愛チャンピオンSでフランスから遠征のアルマンゾルが鬼脚を繰り出して差し切ります。2、3着はいずれもガリレオ牝馬のファウンドとマインディングが占めます。一方、ハーザンドは愛チャンピオンSで大敗、ポストポンドは凱旋門賞で完敗を喫します。ここからガリレオVSその他という血統勢力地図がかなり鮮明になってきます。

群雄割拠して、にわかに暗雲が漂い混沌とした様相を呈します。ファウンドは凱旋門賞制覇の金星が燦然と光り輝きますが、G1で連続5回2着の銀星収集家の側面もあり、王者の風格というには今一歩?マインディングはG1を今季4勝、通算6勝で勝ち星はトップでも、すべてが牝馬相手の限定戦だったことがマイナスイメージ?ハイランドリールはキングジョージ優勝、凱旋門賞2着なら合わせ技一本?そうはいかないのがチャンピオン道の厳しさです。アルマンゾルは仏ダービー勝ちもあり半歩リード、でもチャンピオンの座を確定させるにはここを勝ちたい。どの馬も帯に短し襷に長し、つまり英チャンピオンSを制した馬が年度代表馬に選出される可能性が高くなってきました。大一番です。

マインディングはマイルから12ハロンまで一級の力を発揮するオールマイティホースで、オブライエン厩舎お得意の使い分け戦略でマイルG1のクイーンエリザベス2世Sに回る?こちらを勝って有力馬がチャンピオンSでコケれば漁夫の利がありそうです。万が一にでも総崩れといった事態になれば、決着は大陸を渡ってブリーダーズCに持ち越されるのでしょうか?

×