きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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36年ぶりの米国3冠馬誕生の姿は、残念ながら見る事ができなくなりました。ケンタッキーダービー、プリネークスSを制し、最後の一冠に挑戦したカルフォルニアクローム。全米の期待を一身に受け、臨んだベルモントSでしたが、直線で伸びを欠き、4着に終わりました。

残念な結果とはなりましたが、3冠馬への挑戦は決して楽なものではありません。日本の3冠レースと違い、ケンタッキーダービーから最終戦のベルモントSまでわずか5週間で終わってしまう短さが3冠馬の誕生を困難なものにしている要因でもあります。現に1978年以降3冠馬が誕生していないのです。

父Lucky Pulpit、母Love the Chase、母の父Not for Loveという血統で、カルフォルニア産馬がケンタッキーダービーを制したのも1962年のディサイデットリー以来、53年ぶりのことでした。

それにA.シャーマン調教師は現在77歳にして管理馬初のケンタッキーダービー出走で、更にチャーチルダウンズ競馬場に集まった16万人の大観衆の前で初優勝を果たすという、小説にもなりそうなサクセスストーリーに多くの競馬ファンがミントジュレップを片手に大いに酔いしれたことでしょう。

続く中1週で行われた2冠目のプリネークスSも制し、いよいよ本格的に3冠馬の誕生が現実身を帯びてくると周囲の注目度も日増しに高まっていきました。

最終戦となったベルモントSでは距離の壁に弾き返された格好となりましたが、多くの競馬ファンに夢と希望を与え、アメリカ競馬を盛り上げたのは間違いありません。過酷なローテーションで戦った疲れをゆっくり癒し、今後は世界の競馬をよりいっそう盛り上げて欲しいものです。

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