きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

オーヴァーブルックファームの志を受け継いで

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土曜東京競馬場では2歳マイル重賞のサウジアラビアロイヤルカップが行われました。9頭立てで1番人気クライムメジャー、2番人気ダンビュライト、3番人気ブレスジャーニー、4番人気ロジムーン、5番人気バリンジャーと人気がつづいてのレースとなりました。
勝ったのは3番人気のブレスジャーニーでした。道中を中団後方に位置取り追走し、直線残り400mを切ったところから徐々に加速。残り200mからはダンビュライトとの叩き合いとなり、1馬身1/4差抜け出しての勝利となりました。2着にダンビュライト、そこから3馬身離れて3着クライムメジャーの結果となりました。

ブレスジャーニーは父バトルプラン、母父タニノギムレット、母はエルフィンパークの血統になります。父のバトルプランはエンパイアメイカー産駒で姉に米3歳牝馬チャンピオンのサーフサイドがいる超良血になります。もともとバトルプランはアメリカ・レキシントンにあったオーヴァーブルックファームで生産された馬で、オーヴァーブルックファームが閉鎖にともない売却され日本へとやってきた馬です。その血を持つブレスジャーニーはデビュー戦こそ出遅れて後方からのレースとなり3着に終わったものの、このときにくり出した上がりタイム32秒9。勝馬を大きく上回る末脚で才能の片鱗を魅せていました。つづく2戦目は中団追走から最後は2着馬に2馬身半差をつけて完勝。そして今回の重賞タイトルにつなげました。父バトルプランにとっても産駒初の重賞勝利となりました。
オーヴァーブルックファームは1972年に設立された牧場でボストンハーバーやティンバーカントリーなどを生産、所有していた牧場でした。バトルプランもオーヴァーブルックファームの志を受け継ぐ馬の1頭です。その血が日本でいま開花しようとしています。

日曜は東京競馬場で毎日王冠が行われます。近年では夏の休養から天皇賞(秋)へ直行する馬も多くなったものの、それでも実力馬が集結し盾への感触を確かめる重要な一戦であることにはかわりはありません。今年は安田記念馬ロゴタイプに昨年天皇賞(秋)2着のステファノス、大阪杯でキタサンブラック、ショウナンパンドラを下しているアンビシャス、ルージュバックらが集結。王者へ向けての布石が打たれるレースとなりそうです。

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