きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2016.8.25

10戦10勝の女王現る!

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昨年の三冠馬にしてブリーダーズカップクラシック制覇という史上唯一のスーパーヒーロー・アメリカンファラオがあっさり引退して、一昨年の二冠馬カルフォルニアクロームがドバイワールドカップを手土産にヒーローの座に復権しようとしているというのが、現在のダート競馬帝国アメリカの大まかな構図です。アメリカンファラオ以前の三冠馬アファームドの登場は1978年、ブリーダーズカップ創設がその6年後の1984年のことですから、春秋の頂上レースダブル制覇の偉業がこれまで達成されなかったのも仕方がありません。

ブリーダーズカップ創設以降の32年間に、最終関門ベルモントS直前に引退したアイルハヴアナザーを含めて10頭の二冠馬が誕生していますが、ブリーダーズカップクラシックも併せて戴冠したのは1989年のサンデーサイレンスただ1頭のみです。サンデーサイレンスの偉大さを偲ぶとともに、カルフォルニアクロームの頓挫のたびに雄々しく蘇ってくる逞しさに敬意すら覚えます。昨年はドバイワールドカップ2着後は故障でシーズンを棒に振り、ブリーダーズカップには姿を見せることもできなかったのですから。しかしモノは考えようで、種付け料30万ドルと断然の種牡馬王タピットと同じプルピット系の血を享けながら、父が超マイナーなラッキープルピットで、これまで種牡馬入りの機会を逃してきたのが、逆に度重なる彼の不死鳥のような復活劇を現実の物語として書き換えてきたのかもしれません。

昨日もお伝えしたように、まずは先週末のG1パシフィッククラシックで当面の強敵とみられていた女傑ビホルダーを5馬身差とあしらって見せて、金字塔へ一歩近づきました。残る有力ライバルは、同日のG1アラバマSを圧勝してデビュー以来の不敗を10連勝と伸ばした3歳牝馬ソングバードでしょうか?急な熱発で女王決定戦ケンタッキーオークスを回避したり、まだ牡馬と戦ったことがないのは減点材料なのでしょうが、同世代の牝馬同士では競馬にならない圧倒的なパフォーマンスを見せています。まだブリーダーズカップクラシックへ出ると決まったわけではありませんが、ぜひ頂上対決でその雄姿を見たいものです。