きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

欧州戦線は3歳馬が優勢

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ヨーロッパの夏は、日毎に成長する生きの良い3歳馬と歴戦の古馬が直接対決する世代間頂上戦が各カテゴリーで繰り広げられます。マイル路線は既にイギリスの最高峰レース・サセックスS、フランスの頂上決戦・ジャックルマロワ賞が終了し、大まかながら勢力図が見えてきました。シーズン当初から新種牡馬パコボーイ産駒のガリレオゴールドが英2000ギニー、ロイヤルアスコットのセントジェームズパレスSと世代No. 1決定戦を連勝しチャンピオンロードを驀進してきましたが、サセックスSでは仏2000ギニーを圧勝してきたザグルカが打倒ガリレオゴールドを成し遂げ、素質の高さを証明しました。ザグルカは10ハロンのエクリプスSでも同じ3歳馬ホークビルの2着しており、カテゴリーを超えたチャンピオンホースへの飛躍が期待されましたが、残念にも怪我で一頓挫。来シーズンの復活が待たれます。

ガリレオゴールドはジャックルマロワ賞にも挑んだのですが、連戦の疲れが精彩を欠き8着に敗れています。自らペースをつくる先行タイプで今回は後続のマークも一層厳しかったようです。勝ったのは英2000ギニー、サセックスSでともに3着だったリブチェスターという3歳馬。レースを使われながらジワジワ力を付けてきたようです。と、ここまで牝馬戦線も含めて古馬混合G1戦は3歳馬の8戦7勝、古馬が勝ったのは経験値も必要とされる12ハロンのキングジョージのハイランドリールだけと圧倒的な優勢を誇示しています。このレース、2着に入ったのは1頭だけの3歳馬ウイングスオブデザィアでしたから、やはり3歳勢のポテンシャルと勢いが優っているようです。

今夜ヨーク競馬場で行われる10ハロンのG1インターナショナルSには古馬陣のエース格ポストポンドが出走してきます。毎年これくらいの時期から調子を上げてくるキングジョージ馬ハイランドリールも健在ですが、3歳勢もエクリプスS勝ちの上がり馬ホークビル、前述キングジョージで健闘したウイングスオブデザィアが顔を揃えます。速報結果は明日お伝えする予定ですが、このまま3歳勢が突っ走るようだと、相対評価で凱旋門賞チャレンジのマカヒキの評判も上がることになりそうです。もうそろそろクライマックス間近、そんなムードも漂ってくる昨今のヨーロッパ戦線です。

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