きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ガリレオG1戦線を独走!

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昨夜は、真夏のマイル頂上戦サセックスSが世界一美しい競馬場と賞賛されるグッドウッドを舞台に行われました。1841年の創設と伝えられますから、日本で言えば文明開化はまだ先の江戸時代の頃の話です。伝統の古さも凄いが、中身の濃さも群を抜いていて、とくに近年は歴戦の古馬と成長盛りの3歳馬トップクラスが集結して頂上の座を競うレースとして高いステータスを誇っています。昨年のソロウ、一昨年のキングマン、180年近い歴史の中で唯一連覇を記録したフランケル、キャンフォードクリフス、ヘンリーザナヴィゲーター、ロックオブジブラルタル、ジャイアンツコーズウェイと歴代の勝ち馬には競馬の殿堂級名馬が名を連ねます。

ところが今年は古馬勢が不作で、欧州チャンピオンのソロウは休養中、アジアの王者モーリスは2000m路線に方向転換を模索しており、前哨戦のロイヤルアスコット・クイーンアンSはアメリカから遠征してきた牝馬のテピンに楽勝されるなど駒不足は明らかな状況です。となると、イキの良い3歳馬に期待が集中するのは仕方がなく、セントジェームズパレスS上位組のガリレオゴールド、ザグルカ、オウタッドにファンの支持が集まりました。結果もファンの眼力を裏切ることなく、仏2000ギニーをレコード勝ちした素質馬ザグルカが先行するガリレオゴールドを捉えてセントジェームズパレスSの雪辱を遂げました。3着にはもう一頭の3歳馬リブチェスターが追い込んでほぼ人気通りの決着でした。勝ったザグルカはガリレオ産駒でこれでG1は2勝目。ガリレオゴールドは名前はガリレオでも母の父としてガリレオが入っている血統ですね。

それにしても大種牡馬ガリレオの大車輪の活躍ぶりは呆れるばかりの凄まじさです。G1勝ちは今季11勝目、G1のない日本の夏競馬の間にライバルのディープインパクトにグーンと水を空けてしまいました。例年通りの展開と言えばそうなのですが、今週末のナッソーSには稼ぎ頭のマインディングが登場しますし、2番人気の同じガリレオ産駒アリススプリングスも含めて勝利へ盤石の布陣!ちょっと手のつけられない勢いを感じさせる今シーズンです。果たしてG1目白押しの日本秋の陣でディープインパクトがどこまで追い込めるのか?ひいき目に見ても、情勢はかなり厳しくなっているようです。

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