きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

欧州競馬夏の陣【後】

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欧米の夏競馬は、イギリスなら“世界でもっとも美しい競馬場”と讃えらる景勝地グッドウッド、フランスなら海辺のリゾート地ドーヴィル、アメリカで言えば同じくリゾート地として愛される東海岸のサラトガ、西海岸のデルマーなどに競馬がそっくり引っ越したりしますが、番組自体は長い間の伝統で年間を通して組まれており、G1レースもほぼ規則正しい間隔で行われています。日本のように6月末の宝塚記念を最後に9月下旬か今年は10月初旬のスプリンターズSまでまるまる3ヶ月間もG1不在といった“非常事態”はありません。出走するレースのない一流馬は、この時期を休養にあてるしかありません。

さて、ヨーロッパではガリレオが現時点でディープインパクトの6勝を凌駕するG1・9勝と無双しているというお話をしています。夏競馬前半ののG1は今週のキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(キングジョージ)を幕開けのクライマックスに、グロリアス・グッドウッド開催のマイル頂上戦サセックスS、牝馬のナッソーSなどが今月中に目白押しで組まれています。キングジョージは、目下連戦連勝のポストポンドが大本命で、ロイヤルアスコットのG2ハードウィックSを勝った上がり馬ダートマウスが対抗格、ともにドバウィ産駒ですが、ダートマウスは女王陛下の所有馬であり母父がガリレオの血統です。このレースで2着だったハイランドリールがガリレオ産駒の筆頭格ですが、上位勢は充実一途で逆転まではどうでしょうか?

サセックスSは古馬陣が頼りなく、ロイヤルアスコットの3歳最強決定戦セントジェームズパレスSの再戦ムードです。ここも母父ガリレオのガリレオゴールドが一歩リードして連勝有望、2着だったガリレオ産駒のザグルカが追いかける展開です。3着のオータッドが単穴評価でしょうか?ナッソーSはガリレオ勢の女王マインディングが出走の構えを見せています。1000ギニー、オークスの二冠に加えて古馬相手のプリティポリーSまで圧勝した力は抜けています。今年の夏競馬は、ライバルのディープインパクトが一服している間に、ガリレオがブルードメアサイヤー(母の父)部門も含めて幾つ勝ち星を重ねるのか?そんなところが焦点でしょうか?

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