きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ようこそいらっしゃいませ。

3000m以上の重賞レースは3歳限定の菊花賞を除くと4つしかないというお話をしました。この少ないチャンスにフルチャレンジした馬がいます。当協会会員サンデーレーシング所属のアイポッパーです。

彼は3歳6月デビューと仕上がりは遅かったのですが、そこから8歳まで海外を含めて31戦8勝とタフに走り抜きました。3000m級への挑戦は準オープンの万葉Sが最初でした。彼はそこでステイヤーズS勝ちもあるチャクラに完勝、次走の阪神大賞典でもクビ差の2着に健闘して、真性のステイヤーとしての素質の片鱗を見せます。

素質開花、絶好調で迎えた天皇賞・春、最大のチャンスです。しかし13番人気スズカマンボ、14番人気ビッグゴールド、伏兵の大駆けにあいハナ差の3着に惜敗します。本当にもったないレースでした。

しかし彼は年間4回しかないチャンスに挑みつづけます。次に訪れた絶好機は翌年の暮れからはじまります。1番人気のステイヤーズSをペリエ騎手でつかみ取ると、次走の阪神大賞典もドリームパスポート以下を抑えます。そして天皇賞・春、彼は堂々の1番人気に支持されます。しかし前年のニ冠馬メイショウサムソンにハナ、クビ、半馬身及ばず4着に敗退します。さすがに7歳馬とあって力の衰えがあったのでしょうか。

結局、3000m以上はメルボルンC3200mを含めて11回走り、3勝、2着2回、3着1回と素晴らしものでした。数少ないチャンスに確実に走った彼の一生懸命さは父サッカーボーイの面影とともに忘れられません。今年のステイヤーズSも記憶に残る名馬を出してください。

×