きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

非SS系の大物

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セレクトセールの華やかな舞台で、ディープインパクトやハーツクライなどサンデーサイレンス2世、オルフェーヴルにジャスタウェイといった3世の血が高値を呼ぶ中で、外国産のへニーヒューズがランニングボブキャットとの間のアジアエクスプレスの全弟で税込み1億5000万円越えのセールを記録しました。一昨年のフランケルの当歳牝馬が同1億円ちょいでしたから、それとの比較でも牡馬と牝馬の違いを勘案しても相当な高評価と言えそうです。

へニーヒューズは今年の1歳が日本における初年度産駒になります。しかしご承知のように既に輸入産駒が大活躍しており、JRAで14頭がデビューして、内10頭が勝ち上がっています。通算29勝の内訳は、芝7勝、ダート22勝でやはりダート寄りなのですが、前出のアジアエクスプレスが芝のG1朝日杯フューチュリティSを制圧し、ヘニーハウンドは芝マイルのG3ファルコンSを勝っていますから、芝砂を問わないオールマイティータイプと言えそうです。ダートもモーニンがG1フェブラリーSで王座奪取するなどその走りは一級品です。

父系はヘネシーを経由して大種牡馬ストームキャットに遡ります。ヘネシーは仕上がり早いストームキャット系でも飛びっ切りの早熟血統で、自身も2歳時だけ走り9戦4勝の成績を残しています。ヘネシーを早熟の申し子として世に出したのは産駒のヨハネスブルグでした。彼は2歳時7戦7勝で、フェニックスS、モルニ賞、ミドルパークS、BCジュベナイルと愛仏英米の4カ国G1を総ざらいして、ヨーロッパのカルティエ賞、アメリカのエクリプス賞の欧米両大陸2歳チャンピオンに輝いた歴代屈指の早熟ホースでした。日本で走ったへニーヒューズ産駒もおおむね仕上がり早のタイプが多いようです。しかしアメリカに残してきた牝馬ビホルダーは5歳時の昨年から6歳を迎えた今年にかけて8連勝とまったく衰えを見せず、G1も通算10勝の大台に乗せています。今から秋の頂上決戦BCクラシックの有力候補に挙げられているほどの女傑ぶりです。彼女の登場が潮目となってヘネシー系のイメージが変わるのか?ちょっと楽しみな新潮流の誕生です。

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