きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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●最近つくづく思うのは、良血馬の質というか層の厚さの彼我の違いです。先日の愛オークスを5番人気で勝ったブレスレットという馬、父はモンジュー、母がチェリーヒントンという血統なのですが、何を隠そうこの母はアーバンシーの娘です。兄がガリレオ、弟がシーザスターズということになります。これだけの血統で距離が延びたロイヤルアスコットの12FのG2を勝って来た馬が低人気という現実に驚かされます。もっとも1番人気に推されたマーヴェラスは父がガリレオで母はジャイアンツコズウェイの全妹です。このクラスの良血馬がゴロゴロしているということなのでしょう。世界に出て行くには、こういう面でも充実を図ることが必要かもしれません。

●その愛オークスで大本命に擬せられていたのが3戦3勝と無敗で英オークスを制したタグローダというシーザスターズ産駒でしたが、彼女は直前になって来週のキングジョージへと矛先を変えることになりました。古馬牡馬が60.5キロに対して3歳牝馬は53.5キロと7キロ差の恩恵に浴せますから、オーナーのハムダン殿下も勝算ありと踏んだようです。一昨年のデインドリームの凱旋門賞、キングジョージ連覇の快挙が燦然と輝いていますが、もともと牝馬、とくに3歳牝馬の出走例が少ないので何とも言えない部分は残ります。しかし殿下の脳裏にはキングジョージ、凱旋門賞連勝のイメージが渦巻いているのでしょう。

●良血と言えば、昨秋カタールのジョアン殿下に8億円で購買されたガリレオ牝駒のアルナーマーがデビュー戦を飾っています。ジョアン殿下は先週のセレクトセールで大注目を浴びたファハド殿下の従兄にあたる方ですね。母アールリングパークはニューアプローチの妹で、既に英オークス馬ワズを出しています。この血統には藤沢和雄厩舎で高松宮記念を勝ったシンコウフォレストとかも出ていますから、案外と日本適性があるかもしれません。いずれジャパンCかどこかで日本のターフを快走するガリレオの血を見られる日が来るかもしれません。ガリレオは日本には不向きという都市伝説が流布されていますが、このクラスの馬なら覆してくれるような気がします。

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