きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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●日曜日に迫った夏の大一番キングジョージに意欲満々なのは、三本の矢で臨むジョン・ゴスデン厩舎です。一本目の矢は、無敗のオークス馬タグローダですね。オーナーのハムダン殿下、トレーナーのゴスデン師が一致して、より高みをめざして大本命だった愛オークスを回避、ここに矛先を向けて来ました。古馬牡馬60.5キロに対して3歳牝馬は53.5キロの恩恵も生きると考えているようです。

●二本目の矢は、キャリア3戦の上がり馬イーグルトップ。前走でロイヤルアスコットのキングエドワード7世Sを勝っています。ゴスデン師は3年前にナサニエルでここからG1初挑戦となったキングジョージを制覇した経験があります。この馬も3歳ですから55キロで走れますね。三本目の隠し矢は、モハメド殿下のお后ハヤ王女の愛馬ロムスダルという馬。ここへ入ると少し地味に映りますが、今年のダービーの3着馬です。英愛ダービーを制して世代のトップに立った超良血馬オーケストラの器を測る意味でも注目しておきたいですね。

●恵量の恩典をフルに生かして挑んでくるゴスデン師の3歳馬トリオの三本の矢を受けて立つのは、サー・マイケル・スタウト調教師自慢の素質馬テレスコープです。順調さを欠いてクラシックを棒に振り、ここがG1初挑戦となりますが、8戦4勝2着4回とまだ底を見せていません。スタウト師は過去にキングジョージを5回も勝っており、馬主のハイクレアレーシングとは11馬身差圧勝と歴史的快走を披露したハービンジャーと同じコンビですね。アスコットの勝ち方を知っていると言って良いのでしょう。ジム・ボルジャー厩舎のトレーディングレザー、エイダン・オブライエン厩舎のマジシャンは、ビッグレースの常連でどんなときにも堅実に走って来る馬たちです。3歳勢の攻勢に貫禄を見せつけられるでしょうか。フランケルの全弟ノーブルミッションは、ここでは少し家賃が高いような気がします。

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