きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

エプソムの歴史の風に吹かれて

ようこそいらっしゃいませ。

日曜は2つの重賞レースが予定されています。東京のメインはエプソムカップで、阪神のメインが牝馬限定のハンデキャップ重賞マーメイドステークスです。

エプソムカップは今年で33回目の歴史を数えるレースで、イギリスのエプソム競馬場の名を冠したレースです。1983年に日本ダービーが50回を迎えたのを機に、東京競馬場とエプソム競馬場が姉妹競馬場として提携。翌年1984年から東京競馬場でエプソムカップが行われるようになります。そのエプソム競馬場の歴史は古く、設立は1661年で記録によればこの年に最初のレースが行われたようです。1661年といえば日本は江戸時代前期で第4代将軍徳川家綱の時代です。1779年に第12代ダービー伯爵が友人たちと3歳牝馬を集めてレースを開催。レースはダービー伯爵の別荘から名をとり「オークス」と名づけられます。自らの所有馬が優勝。大成功を収めたことを受けて、3歳牡馬も集えるレースを創設。レースの命名をめぐり、コイントスが行われたのは広く知られているエピソードで、世界で初めて「ダービー」と名のつくレースとなりました。

東京芝1,800mで行われるエプソムカップは、創設から距離、開催場所をかえずに行われてきているレースです。2012年にはジャスタウェイが出走。当時はまだ重賞レースで他馬よりも前に先に出ることが難しかった馬がエプソムカップ2着から実力を出し始め、同年秋のG1で実力を開花。世界で名を轟かせるまでになりました。
また同じように昨年優勝のエイシンヒカリもエプソムカップが初の重賞制覇となり、香港カップにイスパーン賞と海外G1連勝。イスパーン賞では2着に10馬身差をつける圧勝劇で、先日発表された「ロンジンワールドベストレースホースランキング」では、ドバイワールドカップ優勝のカリフォルニアクロームに現在9連勝中のウインクスを抑えて129ポンドを獲得。ジャスタウェイ以来、世界ナンバー1の評価を獲得しています。

エプソムカの歴史の風に吹かれて、今年ジャスタウェイ、エイシンヒカリにつづいて世界へと羽ばたく馬は登場するでしょうか。

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