きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

モーリス7連勝

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5月1日(日)、香港・シャンティ競馬場ではアジア最強マイラー決定戦のチャンピオンズマイルが行われました。日本からは昨年の年度代表馬モーリスが出走。昨年暮れの香港マイル以来となる5ヵ月ぶりのレースで、今年の始動戦となるその走りに注目が集まりました。

それにしてもただただ強い、そのひと言でした。
スタートから4番手を追走、直線では残り200mあたりから追い出されると、あとは後続をただただ突き放すレースでした。最後は手綱を緩めてのゴールでしたからモーリスがただ一頭次元が違う走りでした。モーリスはこれで昨年からの連勝を7に伸ばしました。昨年の安田記念、マイルチャンピオンシップ、香港マイルにつづきG1は4連勝です。今回アウェイの地ながらも断然の1番人気に支持され、その期待にきっちりと応える走りを魅せたことで、もはや世界にモーリスの敵はいなくなったかのようなそんな強烈な印象さえ受けました。

モーリスの牝系に流れる血は日本の競馬に輝かしい蹄音を刻み歴史を残したメジロの血脈です。メジロ牧場は1967年に開場、メジロラモーヌにメジロマックイーン、メジロライアン、メジロブライト、メジロドーベルなど数多くの歴史的名馬を送り出してきた牧場です。しかし2011年5月に牧場を解散。44年の歴史に幕を下ろし、生産馬からメジロ牧場の名は消えていきます。されど競馬の歴史はメジロの競馬文化を見捨てたりはしませんでした。それが2011年に圧倒的強さで三冠馬となったオルフェーヴルに、翌年の二冠馬ゴールドシップの登場でした。
モーリスが母系に持つメジロボサツは、メジロ牝系を発展させた牝馬で自身も現役時代は牝馬ながらに朝日杯3歳ステークスを勝って最優秀3歳牝馬にも選ばれています。メジロボサツ、メジロクインシー、メジロモントレーとつづいてメジロフランシスから産みおとされたのがモーリスです。モーリスが世界で躍動することで、その血統に凝縮された日本の競馬の歴史とその想いにも光が当たっていくようにも思います。

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