きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2016.4.27

今週も香港にご注目を

ようこそいらっしゃいませ。

ゴールデンウィーク開幕週の日本競馬は天皇賞春、青葉賞とワクワクさせられるメンバーが揃いましたが、海の向こうでは春の香港国際競馬が盛り上がっています。先週のG1クイーンエリザベス2世Cは、馬場が日本馬には不向きな力の要る状態になったこともあり、ラブリーデイの4着が最高と少し残念な結果になりました。それにしても勝ったウェルテルの末脚は見事でした。馬場の悪い内を衝いて独走する力強さは、ちょっと日本馬には見られないパワーの権化です。今は亡きモンジューがニュージーランドへのシャトルで遺したタヴィストックという血統です。ウェルテルは、ドロドロになったロンシャンの凱旋門賞のゴール前、エルコンドルパサーを強襲して差し切り日本人の夢を砕いた“重の鬼”モンジューの孫ということになります。こういうタイプは日本には多くはいませんから、ただ脱帽の思いに打たれます。日本競馬にとって、また新たな課題が見つかった気にさせられました。

さて今週はシリーズ第2弾、日本からモーリスが登場するチャンピオンズマイルが目玉レース。香港の英雄エイブルフレンドが怪我で休養中とあって、やや手薄な感じもするメンバーになりました。対抗格に挙げられているコンテントメントは、クイーンズシルヴァージュビリーCという1400mのG1を勝ってきている上がり馬ですが、昨年の香港マイルではモーリスに3馬身くらい置かれた5着に敗れています。地元G1の香港ダービーを勝って上昇気流に乗ったウェルテルの例もあるので油断はできませんが、モーリスとの力差は相当に開きがありそうです。その香港マイルで2着だったジャイアントトレジャーは多少ともムラなところがある馬で一発の怖さはあっても、モーリスが負ける相手ではないような気がします。先週の無念を晴らしてくれるでしょう。

もう一つの国際G1チェアマンズスプリントプライズには日本馬の出走はありませんが、世界トップクラスのスプリンターが揃って見逃せない一番になりそうです。オーストラリアのチャウタウクァは昨年から短距離王国のハイレベルG1を勝ちまくっている馬で、ロイヤルアスコットからも熱心なオファーを寄せられている目下のスプリントチャンピオンです。迎え撃つ地元のエアロヴェロシティは、ご承知のように高松宮記念を疝痛で取り消しましたが、病も癒えて元気一杯、走り慣れた地元コースの利を生かして世界チャンピオンの座を伺っています。他にもオーストラリアのバッファリング、地元のゴールドファンなど名の通った国際派も出走します。ここに日本馬の名がないのは物足りませんが、長く語り継がれるような名勝負が期待できそうです。