きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

雌雄決する皐月冠

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皐月賞当日を迎えました。今年の3歳牡馬クラシック戦線は近年稀に見るほどのハイレベルかつ個性派揃いのメンバーで、クラシック1冠目の皐月賞直前までもつれにもつれている状況となっています。振り返れば、新馬戦から皐月賞に到達するまでの3歳牡馬戦線のレース物語もまた、群雄割拠を煽るかのように展開されていきました。それはまるで過酷なトーナメントでも見ているかのような、あるいは各地で戦国武将が続々と現れ天下統一するかのごとくライバルが蹴り落とされクラシック戦線から淘汰されていき、生き残った武将が合戦の地・中山2000mの舞台に乗り込んできたかのように刻まれてきました。

前日オッズはサトノダイヤモンドが単勝2.9倍で1番人気、リオンディーズが単勝3.1倍で2番人気、マカヒキが単勝3.9倍で3番人気、エアスピネルが16.6倍で4番人気、以下、ロードクエストが17.5倍で5番人気、マウントロブソンが18.0倍で6番人気とつづいています。3歳クラシック王者への期待は、きさらぎ賞でライバルを完膚なきまでに叩きのめして圧勝したサトノダイヤモンドに、昨年暮れの2歳王者リオンディーズ、そのリオンディーズを前哨戦で破り実力を天下に知らしめたマカヒキの3頭に絞られてきました。

されど、三強以外の出走各馬もそれぞれの武器に磨きをかけて下克上の雰囲気を漂わせているところが今年のクラシック戦線のレベルの高さを象徴するところで、朝日杯フューチュリティステークス2着のエアスピネルにしろ、共同通信杯を勝ったディーマジェスティにしろ、スプリングステークス覇者のマウントロブソンにしろ、新潟2歳ステークス馬のロードクエストにしろ、若葉ステークスから参戦のアドマイヤダイオウにナムラシングンにしろ、なにか一発逆転の仕掛けによって勢力図が一変するかのような機会も伺えます。

史上最強世代と称される今年の3歳世代、雌雄を決するときがきました。ただ1頭にだけ三冠馬への権利が与えられます。今年はその重みが例年にも増して重く輝いているように思います。皐月賞史上最高の激突と興奮によって、その権利をぜひ手にしてください。

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