きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

新王者への飛越

ようこそいらっしゃいませ。

昨日熊本で大きな地震がありました。被害に遭われた方の一日も早い復旧をお祈り申し上げます。

皐月賞を前に、土曜中山競馬場では最強障害馬決定戦・中山グランドジャンプが行われます。今年で18回目ですが、始まりは1934年12月に行われた「大障害特別」です。当時、中山競馬倶楽部理事長であった肥田金一郎氏の発案でレースは創設されました。起伏と変化に富んだこの中山の地に着目し、地形を存分に活かす形でコースは造られました。
翌年1935年から春と秋の2回開催となり、1999年の障害競走の改革に伴うグレード制導入により春のレースは「中山グランドジャンプ」となりました。舞台となる襷コース(通称大障害コース)は年2回のみ使用される障害最高峰の舞台で、大竹柵、大いけ垣、外回りコースに最後の直線と難関が各馬を待ち受けます。

今年は10頭が中山グランドジャンプへエントリーしました。昨年の同レース覇者で暮れの中山大障害も優勝し最優秀障害馬となったアップトゥデイトはレースを回避。ライバルが不出走となったことで断然のサナシオンに注目が集まるレースとなりそうです。サナシオンは6歳春まで平地を走り続け30戦して3勝。1000万下の条件戦を最後に障害レースへと転向します。そこから見違えるように本領を発揮。以降連戦連勝で勝ち上がり、昨年暮れの中山大障害では1番人気の支持を受け主役にまで上り詰めました。

芝4250m。毎年、最後の馬が走り終えるのと合わせて会場からは拍手が起こるほど、タフで実力だけでなく精神面でもスタミナが要求されるレースです。新王者へ向けて、まずは全馬が無事完走することを願います。

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