きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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新潟2歳ステークスの勝ちタイムには驚かされました。1分33秒4は2年前にザラストロがマークしたタイムを0秒1塗り替える、2歳コースレコードです。

勝ったのは3番人気のミュゼスルタンでした。最後の直線でいったん抜けだしたニシノラッシュを交わし、さらにその外から猛追してきたアヴニールマルシェの追撃をハナ差凌ぎ切っての勝利でした。ミュゼスルタンは父キングカメハメハ×母父フレンチデピュティの血統です。祖母には京都牝馬特別を勝ったマルカコマチがいて、母系にサンデーサイレンス系の血を引く馬です。デビュー戦ではやや重の馬場で上がり33秒2の末脚を披露。上がり最速は2着のアヴニールマルシェに譲ったものの、直線でそつなく先行馬を交わして抜け出すセンスの良さを感じさせるレースぶりでした。

2着に敗れたアヴニールマルシェですが、デビュー戦同様スタートの出が遅れて後方からとなりました。それでも最後は最速上がり33秒0の末脚で追撃し、将来への期待が高まる内容を魅せてくれました。

祖母のキョウエイマーチは1997年の桜花賞馬で、スタートの出がよく逃げてその個性を発揮した馬でした。引退後に繁殖入りするも2007年に死去。世に残した産駒はインペリアルマーチ、トライアンフマーチ、ヴィートヴァンクル、ヴィートマルシェの4頭で、初仔のヴィートマルシェが唯一の牝馬です。産駒のうち活躍したトライアンフマーチは昨年引退し乗馬として余生を送っていますから、キョウエイマーチの血を残すか途絶えるかは、アヴニールマルシェの母ヴィートマルシェの産駒の活躍次第になりそうです。今回は2着でしたが、次走あるいは来年と大きな重賞タイトルを手にしてぜひキョウエイマーチの血を残し続けていってください。

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