きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ようこそいらっしゃいませ。

●昨日、日曜のバーデン大賞に出走のシーザムーンの鞍上はクリストフ・スミヨン騎手とお伝えしましたが、一転、クリスチャン・デムーロ騎手に変更されることになったようです。同日のロンシャンでアガ・カーン殿下の所有馬が出走するため、スミヨン騎手はそちらを優先せざるを得ないからです。ヨーロッパにおける馬主の発言力や影響力の強さを改めて知らされるエピソードです。競馬界は馬主を中心に回っているのですね。もともとそういうスポーツですし、それゆえ馬主には品性やプライド、ファンを含めた周囲に対する行き届いた慮りが求められているわけです。これはもう文化の問題と考えるしかありません。

●11月4日に行われるオーストラリアの国民的行事・メルボルンCの第1回登録が締め切られました。日本からはアドマイヤラクティとバンデの2頭が参戦します。賞金総額約6億円、優勝賞金約3.5億円は破格です。施行されるフレミントン競馬場のあるヴィクトリア州は祝日となります。他州でもお祭り騒ぎです。以前たまたまメルボルンC当日にオーストラリアに滞在していたのですが、発走時間になると街から人の姿が消えました。家やバーやカフェのテレビの前に集まるんですね。聞いてはいましたが、実際にその光景に接してビックリしました。年に一度くらいそういう日があったって良いじゃないか。有馬記念を国民みんなの祝祭日にしたいという当協会西川賢会長の悲願が理解できた思いです。

●登録馬を眺めると日本でもお馴染みの顔ぶれが並びます。グッドウッドCで惨敗して引退かとファンを心配させた女王陛下の愛馬エスティメイトも、あれは馬場が合わなかっただけと主戦のライアン・ムーア騎手がキッパリ、再起をかけて遠征します。そのエスティメイトを前走ロンスデールCで破って主役の座に躍り出たのが上がり馬パレミモザ。タイムズアップ、キャヴァルリーマンなどの古豪もまとめて負かして、ブックメーカーの前売りオッズでは1番人気に支持されています。

×