きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

マイラーの世界地図

ようこそいらっしゃいませ。

2ヶ月後の3月26日に頂上決戦を迎えるドバイワールドCカーニバル、昨日の川崎記念でG1通算10勝と歴代最高記録を樹立したホッコータルマエをはじめ数多の日本馬が参戦を表明しています。熱いのはドバイターフに挑戦するマイル王モーリスでしょうか。このカテゴリーで正真正銘の世界一を狙える立場にあるからです。先日発表されたロンジンの競走馬ランキングでマイル部門の世界トップは香港の英雄エイブルフレンドとフランスの白い怪物ソロウが、125ポンドで優位を誇っています。その次がこれも香港の人気者デザインズオンローム、アイルランドのガリレオ産駒グレンイーグルスと続き、モーリスは121ポンドで幻の名馬ドバイミレニアムの曾孫世代メイクビリーヴと並んで世界5位タイにランクされています。

ちょっと差があるようですが、モーリスは既に昨暮の香港マイルでの直接対決でエイブルフレンドを倒しており、グレンイーグルスは種牡馬に上がり、デザインズオンロームはマイルというよりは2000m級を主戦場にしている馬です。後はソロウを負かせば世界一の座が自ずと見えてくる立場です。幸いにソロウもメイダンに姿を現してくれるようです。

ソロウの昨季はシャンティのトライアルを叩いてドバイターフを皮切りにG1を5勝、通算6戦6勝と無敵の快進撃を見せました。一昨年から9連勝中です。強烈な追い込みを武器とするエイブルフレンドのようなパフォーマンス的な派手さはないのですが、白い影が忍び寄るようにいつの間にか先頭に立ち、ライバルに抜かせない渋太さが売り物の馬です。強いというより負けない馬という印象で、モーリスにとっては生涯最大の難敵になるかもしれません。鞍上には主戦のライアン・ムーアが駆け付けるのでしょうが、彼はドバイターフ2着のザグレイギャッツビーやグレンイーグルスでソロウの強さ、恐ろしさを知り抜いています。メイダンの直線を舞台に抜きつ抜かれつ、世界のマイル王を争うデッドヒートが展開される今季前半最大の名勝負が見られそうで楽しみです。

×