きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ケンタッキーダービーへの道

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ドバイワールドカップカーニバルの1次登録が締め切られ、日本馬も続々と参戦の狼煙を上げています。招待レースなので登録したからといって出られる保証はありませんが、登録しなければ始まりませんから、まずは第1関門通過というところでしょうか。昨年の年度代表馬モーリス、二冠馬ドゥラメンテ、そのライバルのリアルスティールなど活きの良い馬が名乗りを上げています。現状や少し先の日本競馬を考えれば、行って欲しい顔ぶれが揃いました。先日のAJC杯を快勝したディサイファも行く気満々。モハメド殿下の愛馬で殿下の思いがことのほか深いドバイミレアムの娘を母に、我が国最高の種牡馬ディープインパクトを父に迎えた友好の架け橋のような馬です。この馬もぜひ招待して欲しいですね。

中でも注目というか応援したい気持ちにさせられるのが、松永幹夫厩舎のラニという馬です。天覧競馬となった天皇賞秋を騎手松永幹夫とのコンビで感動的な勝利を挙げた生っ粋の日本馬ヘヴンリーロマンスの仔なのですが、アメリカで今をときめくタピットを付けられて誕生した外国産馬です。彼の目標は生まれ故郷の最高レース・ケンタッキーダービーです。ところが、ご承知のように参戦は指定トライアルレースのポイント制が導入されて、思うに任せません。しかし幸いにもドバイのUAEダービーに枠が与えられており、勝てば文句なし、2着でも40ポイントが貰えますから、例年ですと20頭のフルゲート内は当確です。

UAEダービーも簡単なレースではありません。昨年も国内ダートでは無敵と思っていたゴールデンバローズが8馬身余りも千切られた3着に敗れています。過去を振り返っても、10年前に角居勝彦厩舎のクロフネ産駒フラムドパシオンがこれも離された3着でした。2着を確保するのも大変だというデータです。憧れのケンタッキーダービーとなると、もう20年も前にスキーキャプテンが武豊騎手で参戦したのが唯一の日本調教馬です。この馬もアメリカ生まれで当時は外国産馬に日本のクラシック出走権がなかったための遠征でした。結果はサンダーガルチの14着と振るいませんでしたが、ラニの武豊騎手には20年ぶりの雪辱戦となります。夢を見させて欲しいと思います。

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